ハードディスク(HDD)は60年にも渡ってコンピュータ業界で欠かせない存在だったが、市場調査会社TrendForceによると、2018年にメモリベースのストレージシステムへその座を譲るという。
コンピュータの世界でHDDによる革命が起きたのは、IBMが初の商用HDD「RAMAC」を発売した1956年のこと。HDDは、0または1のデータを回転するプラッタと呼ばれるディスクの微細な区画に磁気情報として書き込み、それを読み出すことで記憶装置として機能する。
ところが、HDDは携帯電話やスティック型USBストレージ、デジタルカメラに入るサイズでないため、こうしたデバイスではフラッシュメモリがデータ記録に利用される。PCではHDDが一般的だが、高速性の要求されるPCではフラッシュメモリをまとめた半導体ドライブ(Solid-State Drive:SSD)が使われるようになってきた。
今やSSDはイロモノでない。TrendForceは、2016年に全世界で販売されるノートPCの33%がSSD搭載モデルになると予測した。そして、2018年にはこの割合が56%まで上昇するとしている。
消費者にとって、これはよいニュースである。なぜなら、SSDはHDDに比べ、PCの起動、アプリのロード、ファイルの保存がはるかに高速だからだ。読者が自分のPCを高速化したければ、筆者の同僚であるDong Ngo氏のSSDアップグレードガイドを読もう。
「くるくる回る錆び(さび)」と揶揄されるHDDであるが、今でもSSDに対する大きなアドバンテージがある。優位点の1つは、SSDよりサイズが大きく安いことだ。例えば、最高級SSD「Crucial MX300」の525Gバイトモデルは130ドルするが、これだけ払えばHDDなら8倍も大容量の製品が変えてしまう。
SSDは、1つのメモリセルに何度も何度も繰り返しデータを書き込むと、早く“擦り切れて”使えなくなる。写真共有やオンラインバックアップ、文書編集といった目的でクラウドコンピューティングサービスを運用する企業は、HDDを千台単位で購入している。
確かにSSDに勢いはあるものの、HDDを過去の遺物などと思わない方がよい。
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