キヤノン、約3040万画素の新型フルサイズカメラ「EOS 5D Mark IV」--4K撮影にも対応

「EOS 5D Mark IV」と標準ズームレンズ「EF 24-105mm F4 II IS USM」のセット。

「EOS 5D Mark IV」と標準ズームレンズ「EF 24-105mm F4 II IS USM」のセット。

 キヤノンは8月25日、デジタル一眼レフカメラ「EOS 5D Mark IV」を発表した。価格はオープンプライスだが、同社直販サイトの価格は、ボディが46万7000円(以下、すべて税込)、「EF24-70mm F4L IS USM」レンズキットが59万1000円、「EF24-70mm F2.8L II USM」レンズキットが66万7000円。9月8日に発売予定だ。

 なお、5D Mark IVと同時に「EF24-105mm F4L II IS USM」と「EF16-35mm F2.8L III USM」を発表している。EF24-105mm F4L II IS USMをセットにしたレンズキットは60万2000円。

4年ぶりに刷新されたフルサイズセンサ搭載一眼レフカメラ「EOS 5D Mark IV」
4年ぶりに刷新されたフルサイズセンサ搭載一眼レフカメラ「EOS 5D Mark IV」

 5Dシリーズは、APS-C機が主流だった時代に、「手に届く35mmフルサイズ機」として2005年に初代モデルが誕生した。2008年に後継モデルとして「EOS 5D Mark II」、2012年に「EOS 5D Mark III」、2015年は派生モデルとして約5060万画素のセンサを搭載した「EOS 5Ds/EOS 5Ds R」が登場。また、エントリーモデルとして、2012年には「EOS 6D」が登場している。

 EOS 5D Mark IVは、同社フラッグシップ機「EOS-1D X Mark II」にも搭載されている「DIGIC 6+」をシングルで搭載。センサには、有効画素数約3040万画素の「デュアルピクセルCMOSセンサ」を搭載する。常用ISOは100-32000(拡張102400)、動画は常時ISO25600(4K時は12600)。高速連写性能は、最高約7コマ/秒にアップした。

 ボディ素材にはマグネシウムを採用。シールド性能も大幅アップし、防塵防滴に配慮した仕様になっている。5Ds/5Ds Rのミラー振動制御システムをベースに、「新ミラー振動制御システム」を開発。ミラー駆動を高速化しながらも、振動を短時間で収束させることに成功し、ミラーショック低減を両立。音もソフトになった。シャッター耐久回数は15万回。

ミラー駆動を高速化しつつ振動を短時間で収束させる「新ミラー振動制御システム」を採用
ミラー駆動を高速化しつつ振動を短時間で収束させる「新ミラー振動制御システム」を採用

 ファインダーは100%視野に対応したペンタプリズムを搭載(倍率は約0.71倍)。約15万画素のRGB+IR(赤外光)測光センサを搭載するほか、AFユニットは、1D X Mark IIのAFシステムを移植した「61点高密度レティクルAF II」を採用。全ての測距点でF8に対応する。

 測距エリアをワイド化することで、「EOS 5D Mark III」と比べて左右ブロックは約24%、中央ブロックは約8.6%拡大している。中央測距点では-3EVまで(ライブビュー時は-4EV)の低輝度限界を達成した。

 液晶には、162万ドットのワイド対応(3:2)タッチパネル液晶を搭載。HDMI端子(4:2:2でのパススルーに対応)のほか、マイク入力、ヘッドホン端子、コンパクトフラッシュ(UDMA Mode 7)とSDカード(UHS-I)のデュアルスロットを搭載している。バッテリはこれまでの5Dシリーズと同じく、「LP-E6」を採用。ボディ重量もバッテリ、カードなしで800gとわずかに軽量化されている。

5Dシリーズ初のタッチ対応液晶パネルを搭載
5Dシリーズ初のタッチ対応液晶パネルを搭載

4K撮影にWi-Fi、GPSをサポート。新発想のRAW現像機能も搭載

 動画撮影機能も大幅アップデート。デジタルシネマ規格であるDCI 4Kに対応し、30pの内部記録(Motion JPEG)をサポート。4K動画から880万画素の静止画を切り出すモードも搭載した。また、1080/60p(ALL-I、IPB)での動画撮影のほか、120fps(HDのみ)のハイスピード撮影も可能となっている。また、デュアルピクセルCMOSセンサにより、動画撮影時でのAF性能が大幅強化。フォーカスポイントの選択もタッチパネルで直接操作可能だ。

 タイムラプス撮影を簡単に実現できるインターバル撮影に対応。最大3600回まで、指定した時間の間隔にあわせてシャッターを自動で切ることができ、撮影した写真からフルHDサイズでの動画を生成することもできる。なお、電子シャッターにも対応しており、シャッターユニットの摩耗を防ぐことができる。

 また、1DX Mark IIでは外部アダプタが必要だったWi-Fi機能も本体に内蔵。スマートフォン、タブレットに撮影したデータを転送できるほか、ワイヤレスでのリモート撮影にも対応する。また、GPSを内蔵しており、撮影した画像に位置情報を付加することができる。

 レンズ収差などをボディ側で補正するデジタルレンズオプティマイザ(DLO)も搭載。従来のレンズ光学補正だけでは対応できないコマ収差、サジタルハロ、非点収差、球面収差の補正と、ローパスフィルターに起因する画像劣化を補正できる。回折補正にも対応する。

 デュアルピクセル情報を付与した新しいRAW機能「DPRAW撮影」に対応。同社現像ソフトの「Digital Photo Professional(無償)」を利用することで、被写体の前に被ってしまったボケをスライドできるほか、視差情報から解像度が最大になるよう微調整可能。ゴーストとフレアを抑制することもできる。

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