「1年持たない」と言われたことも--UPQ中澤社長がローンチからの1年を語る - (page 2)

山川晶之 (編集部)2016年08月10日 13時36分
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「こいつにものづくりできるのか」と言われたことも--中澤社長が1年を振り返る

 発表会に登壇した中澤氏は、UPQ立ち上げから今に至るまで「想像を絶する1年だった」と振り返る。「やろうという意気込みだけはあったものの、自信も無かった。やるしかないとこの1年やってきた」という。

中澤氏は現在妊娠中。なんと早ければ翌週にも出産予定だという。産休直前での会見となった
中澤氏は現在妊娠中。なんと早ければ翌週にも出産予定だという。産休直前での会見となった

 UPQ発表当初は、「1年持たないのでは」「中国から商品を持ってきて色を変えただけだろと死ぬほど言われた」と述べ、中澤氏に対しても「キャバ嬢が出てきたぞ」「こいつにものづくりができるのか」といった声や、「文系でもものづくりができる」といったキャッチコピーが先行し、エンジニアから「文系で技術もないくせにものづくりができると言うからなめられるんだ」と言われたことも。中澤氏が、地道にものづくりに対する思いを伝えることで、「UPQの製品は面白い」とユーザーから思われるようになってきたという。

 「ハードウェアは誰が作っているか見えにくく、誰が責任を持って作っているのかを明確にしないと面白いと思ってもらえない。メーカー(中澤氏はカシオ出身)だと、責任を押しつけ合うこともあるし、自分が手がけている製品も消費者からは『中の人』としてくくられてしまい、ユーザーと1対1の関係になることが難しかった」としている。本意ではないものの、ベンチャーのトップとして自分の顔をさらすことで、直接ユーザーの声から学ぶ機会も多く得られたようだ。

 UPQでは、製品開発のパートナーとして中国などの工場と取引することが多い。現地担当者との関係構築にも努めており、「当初は、こちらのオーダーに対して、70%のものができあがってきた。『ここがダメだ』と何度も差し戻しを繰り返し、毎週のように中国に飛んで、100%の仕上がりにもっていった。今では『UPQならこのクオリティではだめだ』と工場担当者が自主的に動いて作ってもらうまでになった」としている。

 また、製品を実際にローンチしたときも、スマートフォンの技適取得漏れの問題であったり、発送遅延などのトラブルに見舞われたものの、「一つ一つ最短ルートで解決策を出しながら前向きに走ってきた1年だった」とした。資金面でも、これまでに発売した製品分の資金は回収できており、今後発売する商品の売上げなどはすべて黒字になるという。中澤氏は「1年生き延びているし、作った製品も売れている。ただし、UPQのスタイルを他の企業もまねすればいいかというとそうではない。それぞれの答えを見つけるべき」と指摘した。

 今後は、スマートフォンの後継モデルを準備中のほか、「大きい商品にチャレンジしたい」とのこと。電動バイクや50インチの液晶ディスプレイなども手がけていることから、大型商品の配送ノウハウが蓄積されてきたためだという。「メーカーにとって大事なのは、『次は、一体何が出てくるんだろう』と、ユーザーをわくわくさせること」として、UPQでは“心をくすぐるポイント”を付けた製品を世に出していくとしている。

  • 家電メーカーによる従来のものづくりは、「すぐに型落ちになる」とわかりつつも、季節区切りなど短いスパンで開発する必要があった

  • 一方、消費者側は機能とコスト面を見比べて購入するため、型落ちを選ぶことも多い。そのため、作り手の思いが詰まった製品であっても、すぐに型落ちになることは避けられなかった。

  • UPQでは、「スペック」「価格」「デザイン」をバランスよく融合し、「遊び心」を加えることで差別化を図る

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