「Minecraft」などのオンラインゲームをプレイすることで学校の成績アップにつながる可能性はあるのだろうか。「Snapchat」や「Facebook」でゲームの裏技を詳しく披露することに時間を費やすのでなければ、その可能性はあるかもしれない。新たな研究結果によると、オンラインビデオゲームによって学生の成績が上がり、反対にソーシャルメディアは逆効果だという。
オーストラリアのロイヤルメルボルン工科大学(RMIT)の研究者らは、国内の15歳の生徒ら1万2000人を対象に標準テストの得点を調査するとともに、オンラインでの習慣についても尋ねた。
今回の結果で、1994年以来ひきずってきた筆者と母親との意見の対立にようやく決着がついた。つまり、筆者が主張していた通り、AOLやローカルなBBS(電子掲示板システム)に一日中投稿することより、当時流行っていたゲームをプレイして過ごす方が、おそらくよい効果があったということだ。
「International Journal of Communication」の最新号で発表されたこの研究結果では、ほぼ毎日オンラインゲームをプレイする学生は、数学の得点が平均点を15ポイント上回り、理科では17ポイント上回ったことが分かった。
この研究を行ったRMITのAlberto Posso准教授は、「オンラインゲームをプレイするというのは、パズルを解いて次のレベルに進んでいる状態であり、その際に、日中に学んだ数学やリーディング、科学などの一般的な知識やスキルが部分的に活用されている」とプレスリリースで述べた。
反対に、Facebookや他のチャットアプリを毎日使用していた学生は、ソーシャルメディアをまったく使わなかった学生より20ポイントほど低かった。もっとも、今回の結果は、具体的にどのゲームが学生に有益、あるいは有害であった可能性があるかが示されておらず、「Pokemon GO」が成績アップにつながるかどうかは不明だ。
Posso氏は、「ソーシャルメディアを日常的に使っている学生は、当然ながら、勉強のために使えるであろう時間を失っている。もっとも、彼らも数学やリーディング、科学の課題に悪戦苦闘しており、その反動でオンラインにアクセスしている可能性もある」と示唆している。
同氏はまた、学力の向上に重要な役割を果たし得る要因がほかにもあることを認識することが重要だとしている。今回の調査結果からは、授業をサボることでさらに得点が低くなる可能性や、アメリカ先住民族などの民族的、または言語的マイノリティ集団に属する学生ほど成績不振のリスクも大きくなることが明らかになった。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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