消費財大手Unileverが、オンラインでカミソリを販売し、大規模なバイラルマーケティングを展開するDollar Shave Clubを売却した。買収金額は推定10億ドル。
今回の動きはDollar Shave Clubにとっても非常に理にかなった動きである。カリフォルニア州ヴェニスを拠点とする同社は、ユニークな広告と低価格の商品が人気を集め、320万人を超える会員を擁し、2016年の売上高は2億4000万ドルと推定されている。
技術面では、Dollar Shave Clubは45人のエンジニアからなるチームを雇い、同社のITソフトウェアやプラットフォームのほとんどすべてを社内で構築している。Dollar Shave Clubの最高執行責任者(COO)を務めるKevin Datoo氏は7月、米ZDNetの取材に対して、エンジニアリング関連の取り組みは、会社の規模を拡大し、この4年間の急速な成長を管理する上で鍵を握っていたと述べていた。
Unilever傘下に入ったことで、Dollar Shave Clubはさらなる規模拡大を目指す予定だ。直販方式を確立してきた同社は現在、3カ国でしか商品を販売していないが、Unileverの流通網を利用できれば、Dollar Shave Clubのブランドを世界で展開することができる。新興企業である同社が、商品製造や世界規模の広告においても、より有利な契約を獲得できるようになる可能性がある。
Dollar Shave Clubの創設者で最高経営責任者(CEO)のMichael Dubin氏が引き続き同社を統括する。同社はUnilever傘下で独立した事業体として運営される予定だ。
Unileverはこの買収によって、カミソリ市場に参入し、Gilletteを傘下に置くライバル企業Procter & Gambleと、収益性の高いカミソリ刃のシェアをめぐって競合することになる。
今回の買収は、伝統的な企業が、完全にEコマース向けに構築されたモデルを展開する新興企業を買収したことでも注目に値する。これは、由緒あるブランドによる思い切った(しかし必要な)動きであり、莫大な規模を誇るオンラインショッピング市場でうまく消費者に訴求するための発想の転換を示唆しているのかもしれない。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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