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銀座のセイコー新社屋を訪問--エントランスに世界時計「Seiko Space Eye」

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 セイコーホールディングスが、5月23日に東京・銀座の新社屋に移転した。その入口に配置されたのが「Seiko Space Eye」と呼ばれる世界時計だ。直径3.9メートルという大きさを持つ「Seiko Space Eye」は、円形のLED表示体としては世界最大規模のものとなり、73万5000個のLEDを、3.125mmピッチで配置することで、高精細な映像表示を可能としている。セイコーホールディングスの新社屋を訪ねてみた。

Seiko Space Eyeの大きさがわかる。左は和田氏、右が吉野氏
Seiko Space Eyeの大きさがわかる。左はセイコーホールディングス ブランド推進一部デザイナーの和田、右がブランド推進一部参事の吉野氏

 セイコーホールディングスの創業は1881年。今年で135年目を迎えた。これまでの本社は、東京・虎ノ門にあったが、新本社は、創業者である服部金太郎氏が誕生し、服部時計店を創業した京橋采女(うねめ)町に近い銀座1丁目。かつての銀座ラフィナート(旧京橋会館)があった場所だ。

セイコーが移転した新本社の様子
セイコーが移転した新本社の様子

 セイコーホールディングスおよびセイコーウオッチが入居しており、セイコーホールディングスは5月23日から、セイコーウオッチは5月6日から新本社での業務を開始している。新本社のシンボルとなるのが、1階エントランスホールの壁面に設置された「Seiko Space Eye」である。エントランスに入ると、その大きさに圧倒される。

 「時計が創業のルーツであるセイコーにとって、それを表現できるシンボリックなものを本社入口に設置したいと考えていた。さまざまなアイデアが出たが、世界時計として利用できるもの、そして、これを宇宙と時を結ぶ窓と見立て、そこからメッセージを発信できるものを目指した」(セイコーホールディングス ブランド推進一部参事の吉野周氏)という。

 瞳のような円形スクリーンがセイコーの今を鮮やかに映し出す様子から、Seiko Space Eyeと命名。「そこに時がある」を基本コンセプトに、時の流れを表現する円形を基調としたデザインにしている。

新本社は旧銀座ラフィナート跡地に建設されたアーバンネット銀座一丁目ビル
新本社は旧銀座ラフィナート跡地に建設されたアーバンネット銀座一丁目ビル

 セイコーの製品としては、腕時計や置き時計などが、我々の身近な存在といえるが、実は、塔時計やからくり時計といった設備時計でも多くの実績を持っている。設備時計で代表的なのは、東京・銀座の銀座4丁目交差点にある銀座和光本館の時計塔だろう。今年で竣工84年目を迎え、銀座のシンボルとして多くの人々に愛されてきた。

 また、東京・有楽町の有楽町マリオンのからくり時計、愛知県岡崎市の岡崎公園のからくり時計塔、2014年に開業した大阪・天王寺のあべのハルカスの塔時計、2016年3月26日の北海道新幹線の開業に伴い、JR新函館北斗駅に設置されたモニュメントクロックなども、セイコーの製品である。また、LEDを使用した表示装置は、中部国際空港などにも設置されており、新本社に設置されたSeiko Space Eyeは、こうした設備時計の数々の実績をもとにして、最先端技術を活用して開発したものだ。

 直径3.9メートル、スクリーン部が2.8メートルの円形デザインは、銀座和光の直径2.4mの文字盤を上回り、円形の世界時計としては世界最大規模となる。

Seiko Space Eyeは、銀座和光の時計塔を上回る大きさとなる
Seiko Space Eyeは、銀座和光の時計塔を上回る大きさとなる

 「セイコーは、創業から135年に渡って時計を生業としてきた。時計の起源は、紀元前4000年頃にエジプトで生まれた日時計だといわれており、その時代から、時は円に刻まれていた。そして、時計も円を描いて運針する。セイコーにとって、円は大切なものである」と語るのは、Seiko Space Eyeのデザインに携わったセイコーホールディングス ブランド推進一部デザイナーの和田光夫氏。

 「運針は、文字盤上のドラマを表現するものであり、また、日本では古くから丸窓が採用され、これが空間演出にも重要な役割を果たしてきた。そして、天体や星の円運動など、時の流れを表現するのは円。日本に本社を持つセイコーの本社に相応しいものを造形レベルに進めたものがSeiko Space Eye」だとする。

  セイコーのアイデンティティにもつながる円のデザインは、まさに本社のエントランスにはふさわしいものだ。また、スクリーン部の周りには、腕時計と同じようにベゼルが配置されており、金属の光沢は、高級感を演出している。

 よく見ると、ベゼルのデザインは、光沢面と艶消し面が徐々に幅を変え、光沢面は下の部分が広く、上の部分が狭くなっている。さらに、立体的に円を描く造形デザインは、12時の部分から始まるのではなく、12時の少し手前の部分から始まるものとなっており、これも「時間の流れ」を示したいというデザイナーのこだわりを反映したものだという。

 スクリーン部には、10×20cm角のパネルを組み合わせて、合計73万5000個のLEDを使用。3.125mmピッチでLED素子を配置しており、これによって、立体感を感じさせるほどの高精細表示を可能にしている。また、初めてバックライト方式を採用することで、高輝度の発色を実現。「エッジライト方式に比べると、明るさは歴然ともいえる差がある。しかも、3割程度の明るさで済むことから、超寿命化にも貢献している」という。

 同社の試算によると、約20年間に渡り、メンテナンスフリーでの利用が可能だ。

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