日立製作所は6月27日、人工知能技術を活用して、個々の行動データから“幸福感”を上げるためのアドバイスを自動生成する技術を開発したと発表した。すでに社内で実証実験を進めており、導入効果や運用上の課題などを検証しているという。
同社は、人や組織の活性度、幸福感と、生産性の関係性に着目して研究を重ねており、2015年には名札型ウェアラブルセンサで取得した行動データ(身体運動の特徴パターン)から、組織の生産性に強く相関する組織活性度や、幸福感(ハピネス度)を計測する技術を開発。人工知能技術の1つである「Hitachi AI Technology/H」を活用し、企業の経営課題解決を支援するサービスも提供している。
今回同社では、名札型ウエアラブルセンサから収集した行動データを、時間帯・会話相手などの項目で細分化。これを、Hitachi AI Technology/Hに入力することで、各個人にカスタマイズされた、幸福感の向上に有効なアドバイスを日々自動的に作成、配信する技術を開発した。
すでに、日立製作所グループの営業部門約600人を対象に実証実験を開始しているという。利用者は、スマートフォンやタブレット端末上で、「Aさんとの5分以下の短い会話を増やしましょう」、「上司のBさんに会うには午前中がおすすめです」など、職場でのコミュニケーションや時間の使い方に関する多様なアドバイスを日々確認できるという。
同社によると、このアドバイスによって従業員1人ひとりの幸福感が高まり、生産性も向上することを期待しているという。なお、プライバシーに配慮し、個人のデータは他者からは閲覧できない形で管理しているという。
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