「俺の言うことも否定しろ」--DMM亀山会長の“組織論” - (page 2)

藤井涼 (編集部) 渡徳博(カメラマン)2016年07月02日 09時00分
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「俺の言うことも否定しろ」

――日ごろから社員に伝えているメッセージはありますか。

 「俺の言うことも否定しろ」みたいな話はしてて、自分で考えろってことかな。将来、俺の意思を継いで仕事をする必要はないから、その時代に合った仕事とか、自分たちの価値観で組織の組み方を考えてほしい。給料の決め方もどれが正しいなんて思ってないから、亀チョクみたいなものもとりあえずやってるしね。売るものもロケットだろうがラーメンだろうが、何だっていいわけよ。そういったものも踏まえて、会社にすがらなくても生きていけるようになってもらえたらいいかなって。(DMM.comは)そんな価値観の集まりがいいな。

――亀山さんは、一代でDMM.comを大きく成長させましたが、後継者は考えていますか。

 いまのところ特に決まってないし、そのころになって考えようかなと思ってる。いまは(自身の)子どもに継がせようとも考えてないし、もしかしたら会社をいくつかに分けるかもしれない。年寄りは年寄りで離れて別のことをやり、あとは若いのがやれってなるかもしれないし、成り行きだね。

――日産自動車社長のカルロス・ゴーン氏の役員報酬が8.9億円に及ぶという記事について、「NewsPicks」で亀山さんが「非上場のウチにもゴーン氏とほぼ同額の役員がいる」とコメントしたことが話題になりました。

亀山氏のツイート
亀山氏のツイート

 (自身のコメントで)やたら盛り上がったけど、あれは特殊なやつが1人いるってだけで、みんなが高いわけじゃないよ(笑)。別にうちは役職で給料が決まってないのよ。役員だからどうこうじゃなくて、ポジションごとに違う。役職ってのは権限と責任を持つだけで、仮に若いやつが1つ大きなヒットを出したら、そいつのほうが役員よりも報酬が高くてもいいわけよ。

 経理とか物流みたいに、部署によっては毎年いくらかずつ昇給していくところもあるから、すごい実力主義の会社かって言われると、そうじゃないところもある。給料も何億ってもらってるやつもいるし、安いやつもいるんだよ。もちろん終身雇用的に考えたいとは思うけど、基本的には年功序列とか定期昇給じゃないってだけだよね。

アダルトは上場の“足かせ”になっているのか

――マイナビの2017年就職企業ランキングの「ソフトウェア・インターネット」部門で、DMM.comグループはNTTデータ(1位)、NECソリューションイノベータ(2位)に次ぐ3位にランクインしました。グーグル(8位)よりも上位です。

 ちょっと最近高いんだよね、いろいろ喋った甲斐があったな、みたいな感じかな(笑)。テレビCM打ったり、俺がこういうインタビューを受けたりすることで、ちょっとずつ怖くないし、面白そうな会社って思ってくれたらいいな。

――応募者の中には女性もいると思うのですが、アダルト事業が収益の大きな柱になっていることは知っているのでしょうか。

 最近は知らない子もいるから、説明会で言うようにしてるけど、そこで「えっ」って思ってやめる人もいると思う。最近は(比率が)半分以下になったかもしれないけど、まだ利益の多くはアダルトで稼いでたりするから、先に言わないとこっちも面接の手間が増えるだけだしね。それでも結構応募してくるし、ある意味でタフな女の子しか来ないよね。それは頼もしいけど、「親に反対されるかもしれないから、ちょっと相談して来いよ」とは言ってるよ(笑)。

DMM.com取締役会長の亀山敬司氏

――DMM.comは、企業価値が10億ドル以上で非上場の“ユニコーン企業”と言われていますが、上場の予定は。また、アダルト事業は上場の足かせになっているのでしょうか。

 アダルトをやってることも(影響は)あるね。(アダルトが占める)利益が5~10%なら上場できるけど、そしたらもうちょっと他で稼がないとできないじゃない(笑)。それと会社を分けてやるって方法もあるけど、分裂させるくらいなら一緒の方がやりやすいよ。上場していいところもあるけどさ、悪いところもあるよね。自由度がなくなるし、株主説明会でいちいち面倒くさいじゃん。いまのところ資金もやれる分でやってるし、そのうち成り行きであるかもしれないけど、いまのところ必要ないかな。

※第3回「亀山敬司氏の“日常”」は7月3日(日)に掲載

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