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SNSで「ネットストーカー」が起きる理由--10代も罠にはまる

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 20代の男が女性アーティストに対してTwitterを通じてストーカーをした挙句、女性を刺した事件が起きた。男は以前からTwitterでしつこくつきまといをしており、女性アーティストは警察にも男の書き込みを印刷して持参し、やめさせてほしいと依頼。しかし、警察はストーカーではなく一般的な相談として扱っていた。

 犯人の男が女性に宛てたツイートには、「原因は僕でしょ?」「僕とつき合うといいと思いますよ<略>君を好きな気持を否定しないでね?」などの妄想や要求が見られた。さらに時が進むにつれ、「あたしの心臓あげる」「呪いでもかけましたか???」「他人を見下した時点でアウトだよ笑 自分の後ろには誰がいるか考えたことある?」「そのうち死ぬから安心してね(●^_^●)ごめんね」などと、“死”や危害を予感させる文言が増え、事件につながった。要求から攻撃へとつながっていく心理状態が見えるのだ。

 ストーカー行為などの規制に関する法律である通称「ストーカー規制法」では、ストーカー行為の定義付けに、「電話をかけて何も告げず、または拒まれたにもかかわらず、連続して電話をかけ、ファクシミリ装置を用いて送信し、もしくは電子メールを送信すること」というものがある。つまり、しつこくメールを送る行為は該当するが、SNSは該当していなかったのだ。警察は法律違反が明確であれば動けるが、SNSでの書き込みが該当しない以上、動きづらく罰則も与えられなかったというわけだ。

 今回の事件を受け、自民・公明両党は「ストーカー規制法」の対象を、FacebookやTwitterなどのSNSの書き込みにも拡大する方針を固めている。秋の臨時国会での成立を目指すという。警察の警告なしで行為の禁止を命令できる制度を設けるほか、被害者による告訴がなくても起訴できる「非親告罪」を盛り込む予定だ。

 SNSでは、人はストーカー化しやすい傾向にあり、若い世代の多くもこの罠にはまっている。その理由とともに対策を考えていきたい。

なぜSNSでストーカー化するのか?

 なぜ、SNSではストーカー化しやすいのだろうか。もともと、SNSは自己開示しやすいツールだ。リアルに会っている時は言わないような個人的なことでも、つい書いてしまいやすい傾向にある。中でも匿名性の高いTwitterでは、社会から自由な存在となるため、本音が出やすい。その結果、相手との距離感がわからなくなり、親しくなったという錯覚を覚えやすいという特徴がある。

 通常、アーティストとファンは、直接話したり接したりする機会は乏しい。ライブ会場などに赴いても、あくまで1対多という状況は変わらないことが多いだろう。ところがSNSを使うと、1対1での会話が可能となる。アーティスト側からは誰からも見られる場でブログに対するコメントのようなつもりで書き込んだとしても、ファンの側からは自分だけに向けられたという錯覚を覚えやすいのだ。

 また、ストーカーをする側から、相手の情報が何でも得られる点も問題だ。「いつ」「どこにいて」「何を感じているか」などをリアルタイムに知ることができる上、相手にメッセージを伝えたい時にはいつでも送れるため、感情が加速する傾向にあるのだ。

 リアルの人間関係なら徐々にフェードアウトすることもできる。ところが、SNS上の友人関係はオンかオフの2種類しかない。友達関係を切ったり、ブロックしたりする行為は完全な拒絶にあたり、相手の感情を逆なでするため注意が必要だ。

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