「ClipSync」は、同一LAN上にあるAndroid端末とWindows PCで、クリップボードを共有できるアプリだ。一方でコピーしたテキストが、もう一方のクリップボードにリアルタイムで格納されるので、Windows PCで検索した住所やメールアドレスをAndroid端末に送ったり、Android端末で表示しているページのURLをWindows PCに送るといった用途で重宝する。
利用にあたってはAndroid端末にアプリをインストールするほか、Windowsに専用クライアントソフトをインストールする。両者を起動して接続設定が行われた状態で、Android端末上で文字列をコピーすると、ほぼリアルタイムでWindowsのクリップボードに格納されるので、あとはペーストして利用すればよい。これとは逆方向に、Windows PCでコピーを行った場合も、Androidのクリップボードにリアルタイムで格納される。
本アプリの特徴は、クラウドなどを経由せず、相手に対してLAN上で直接転送する仕組みを採用していることだ。そのためタイムラグもなく、他の方法を使った場合にありがちな、受信までしばらく待たされるといったこともない。クリップボードに直接格納されるので、メールにテキストを貼り付けて自分宛に送信する方法のように、新規作成画面を開いてコピペして送信、そしてもう一方で受信してコピーといった手間もかからない。
逆にデメリットとしては、ルーターを超えた転送には対応せず、あくまでLAN上に限られることが挙げられる。またその性質上、ファイアウォールソフトの種類によってはブロックされることがあるため、送受信にあたっては適切に設定を行ってやる必要がある。クラウド経由のサービスと異なり、コピーできるのはテキストのみで画像には対応しないのも、使い方によってはネックになるかもしれない。
もっとも、これだけすばやく転送できるツールはなかなかなく、WindowsとAndroidの間でテキストを頻繁にやり取りする人にとっては、またとないアプリといえる。アプリが2012年からしばらく更新されていないのがやや気がかりだが、今回試した限りではWindows 10 ProとAndroid 6.0の組み合わせでも問題なく動作したので、待ち時間のないクリップボードの共有を求める人は、ぜひ試してみてほしい。
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