NHN comicoは5月25日、スマートフォン向けの縦読み漫画アプリ「comico(コミコ)」が、2月にタイに進出したことを記念したイベントをタイ・バンコクで開催した。すでにcomicoで連載している作家も交えた4カ国のトークセッションや、現地の役者によるトークショー、サイン会などが実施されイベントを盛り上げた。
タイのcomico代表であるJB Park氏によると、ローンチから3カ月が経ち、アプリのダウンロード数は約50万を超えているという。他国と同様に10~20代の女性がメインユーザーで、主に恋愛作品の人気が高いという。現在は、1~3位がタイの作家、4位が韓国の作家、5位以降が日本の作家の作品がランクインしているとのこと。
同日のイベントで登壇した、台湾、韓国、タイ、日本の作家にインタビューすることができたので、それぞれの国や作家ならではの違いを探った。質問は大きく3つ。(1)comicoに投稿するようになった経緯、(2)comicoの特徴である「縦読み」表現について、(3)日本の漫画に対するイメージだ。
なお、日本は2013年10月に、台湾は2014年7月に、韓国は2014年10月にサービスを開始している。
SALLYさんが連載している作品は、サラリーマンの地下鉄での出会いを描いた「一緒に地下鉄に乗りませんか?」(日本語名)。
もともと台湾で本なども出版しており、5~6年前から他の漫画サービスに投稿していた。台湾版comicoのサービス開始にあわせてスカウトを受けて同作を描き始めた。いまはcomicoでの執筆が中心だが、出版社との取り組みも進めている。
本の漫画を読んだことがない人の中には読み方が分からないという人もいるが、縦読みはスクロールするだけなので読みやすい。また、従来のレイアウトと違って、描き方にリズムを持たせることができる。
日本の漫画は、子どもの頃から楽しんでいる。小さい頃は少女漫画を読んでいたが、大人になってからは少年漫画や青年漫画も読むようになった。
kaabさんが連載している作品は、韓国の武士が現代にタイムスリップして現代で恋をする「flowerboy,花郎」。
デビューした当時は、すでに「NAVER Webtoon」などの作家の勢力が強かった。そこで、知り合いの漫画家に、どうすれば自分の漫画を世に広めることができるか相談したところ、comicoを教えてくれた。他の漫画サービスにも投稿しているが、いまはcomicoが中心で日本やタイでも作品を配信している。
もともとアニメ制作会社にいたこともあり、一般的なページ形式の漫画は、連続的なコマの見せ方やモーション、アクションの表現が難しい。縦スクロールだと、アニメの絵コンテの流れのようにテンポよくモーションを演出できる。
個人的にはアニメになっている「うたプリ」や「ONE PIECE」などはよく見ている。最近は、韓国の漫画のクオリティも上がってきたが、やはり日本は基本的な水準が高いので、いつも参考にしたり勉強したりしている。
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