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8K、ネット活用、立体テレビなど放送技術の"いま”を体感--NHK「技研公開2016」 - (page 2)

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テレビ局が模索する「インターネット活用」に新用途提案

 「インターネット活用技術」については、1Fエントランスでもある程度の内容を把握できるが、メインは地下1階の展示ブース(B-1)だ。

 今回はNHKのほか、テレビ朝日、フジテレビ、TBSもそれぞれ関連内容を展示。高度なハイブリッドキャストを活用しつつ、放送局としていかにインターネットを活用したサービスを視聴者に提供していくか、をテーマにユニークな展示がなされていた。

 展示のポイントは大きく2点。1つは、放送、ネット配信、VODなどの違いを問わずに番組を楽しめるよう、番組提供側の配信方法やユーザーの視聴環境を考慮して視聴方法を自動的に選択する「メディア統合技術」だ。

 より簡単に説明すると、ユーザー側の手間をなくすための研究で、例えば屋外で何らかのコンテンツを視聴する場合、放送視聴とネット配信、VODでは立ち上げるアプリもその操作も全く異なる。この窓口を一本化し、最適な方法を自動で選択してくれるのが「メディア統合技術」というわけだ。

 さらに進化してくると、コンテンツの内容や利用状況に応じて「いますぐライブ映像を視聴」「番組の頭から追っかけ再生」なども自動判断してくれるというが、このあたりの判断を完全自動に任せるかどうかはユーザー次第。ある程度、アルゴリズムは個々に変えられることをイメージしているそうなので、そのあたりのご意見を担当者にぶつけておくのもいいかもしれない。

メディア統合技術。環境に適した動画再生を提供する研究
メディア統合技術。環境に適した動画再生を提供する研究。実際には、ニュースアプリなどからの動画再生を想定

 もう1つが「行動連携技術」。放送局が提供した話題が日常生活のさまざまな場面での新たな気づき、行動につながることを目指したサービスで、ユーザーの行動に合わせて提供する技術や、放送局以外の事業者が放送に連携したサービスを展開するのに必要な情報を番組データとして提供する技術を研究開発しているという。

 今回の展示ではフジテレビを例にとるのが最もわかりやすい。例えばあるテレビ番組を視聴していると、その番組に関連した書籍の情報がスマホに届く。その書籍の電子版を「フジテレビオンデマンド」(FOD)で楽しんだ後、別の書籍も一緒に楽しむと、今度は後から読んだ電子書籍に関する放送番組案内やVODなどの情報がテレビやスマホに届けられる、という形だ。

 実のところ、具体的なコンテンツ名(フジテレビで放送中の超人気アニメとその原作、その原作が掲載されている雑誌の別の漫画作品など)を当てはめると極めて説明しやすい話になるのだが、あくまで実証実験中につき、そうした紹介はご遠慮いただきたい、とのこと。展示ブースの担当者に聞けばきちんと説明してくれるので、ご興味のある方は実際に体感してみることをお勧めしたい。

フジテレビの「行動連携技術」展示
フジテレビの「行動連携技術」展示。スマホで原作を楽しんだアニメが放送される際には、テレビ番組放送前に案内などが表示される

 3つの重点項目のうち、特別なめがねなしで自然な立体像を見ることができるという「立体テレビ」(インテグラル立体システム)については2030年ごろの実用化システム構築を目指しており、前述した2項目と比較すると少し将来の技術となる。

 そのため、最新の8Kディスプレイを用いた展示でも「え!?」と疑問に思われる方が多いかと思われるが、要は「8Kであっても映像情報量が足りない」ということ。あくまで将来の展示内容として、その技術的な進展を長い目で見てほしい展示と言える。

インテグラル立体
インテグラル立体。8Kディスプレイを用いた展示においても、画質的には微妙に感じられてしまうほど必要な映像情報量が多い

 技研公開2016では、ここで紹介した以外にも多くのユニークな展示が用意されているので、興味のある方はぜひ、会場まで足を運んで「放送技術の最新動向」を確認してほしい。

 

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