コロプラの子会社である360Channelは5月26日、360度動画を配信するサービス「360Channel(サンロクマルチャンネル)」を開始した。
これは、360度全方位へ自由に視点を動かすことができるオリジナル動画を配信するサービス。特にヘッドマウントディスプレイ(HMD)型のVRシステムで視聴することにより、動画内に自分がいるかのような視聴体験を楽しむことができる。
サービス開始時に利用できるHMD型VRシステムは「Oculus Rift」と「Gear VR」のふたつ。それ以外のHMD型VRデバイスにも順次対応していくほか、専用サイトからPCやスマートフォンでも視聴は可能としている。サービスの利用料は無料。また無料のアカウント登録によって、気になるチャンネルや動画をお気に入りに登録することができるという。
サービス開始時に6つのカテゴリで20以上のコンテンツを用意。「バラエティ」には、お笑いコンビのチュートリアルやグラビアアイドルが登場し、男性を誘惑するテクニックを披露するというコンテンツを用意。「旅行」では「日本の旅」と題し、日本各地の美しい風景や人気スポットを紹介する。「ライブ」では、アイドルユニット「神宿」のライブステージを収録。「パフォーマンス」では、和太鼓やけん玉といった一芸に秀でた達人による360度パフォーマンスが視聴できる。「体験」では「ANA機体工場」と題し、全日本空輸(ANA)の飛行機がどのように整備されているかを見ることができる。「ドキュメンタリー」では、4月14日に発生した熊本地震から約10日後の熊本県各地を、360度カメラで取材した模様を収録している。
コロプラはVRゲームのリリースをはじめ、投資会社「Colopl VR Fund」の設立などVR領域に積極的に取り組んでいる。360度動画に特化した子会社の設立もその一環であり、360Channelでは制作と配信の両面で事業展開を行い「360度動画のテレビ局」を目指すという。
コンテンツ制作にあたっては、テレビ番組のディレクターや広告映像制作などの経験を持つスタッフを擁し、360度動画ならではの企画や撮影を実施。また編集においても「スティッチ」と呼ばれる、撮影した動画を360度動画にするという平面動画制作にはない作業に専門の部隊を設立。現在はノウハウを積み重ねている段階としながらも、360度動画を素早く制作できる体制を整えているという。
配信については高品質な360度コンテンツとマルチデバイス対応を特徴とし、コンテンツについても継続的に提供していく。当面は自社制作のオリジナルコンテンツを提供していくが、他社コンテンツの配信も視野に入れているとし、実際に引き合いもあるとしている。コンテンツ追加の頻度について、具体的なスケジュールはないものの、視聴習慣が付けられるペースで追加していくという。また、360度動画配信プラットフォームの確立も目指すが、ユーザーからの投稿を受け付ける、いわゆる“CGM”と呼ばれる展開は考えていないという。
サービスのマネタイズについては、今のところ間口を広げる狙いもありユーザーには無償での提供を続け、コンテンツ(番組)に対するスポンサードを中心としている。また現状ではインフラの整備や機材の都合で難しいとしているが、将来的には生放送番組のようなライブ配信も計画しているという。
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