非接触ICカード技術「FeliCa」ベースのシステム「おサイフケータイ」に対応した決済レジが普及したおかげで「Suica」「Edy」などの電子マネーが使いやすくなり、日々の買い物や鉄道利用で現金を出す場面が激減した。
これに対し、「Apple Pay」「Android Pay」といったモバイル決済サービスが始まっている米国では、利用に必要なNFC対応レジの普及率が5%に届かず、現金や磁気ストライプ式のクレジットカード、デビットカードを置き換える現状でないそうだ。
そこで、クレジットカードなど複数の磁気カードの情報を格納し、カードを持ち歩くことなく現行の磁気読み取り式レジで決済できるスマートカード「Spendwallet」を紹介しよう。現在クラウドファンディングサービス「Indiegogo」で支援募集中。
Spendwalletは、クレジットカードを一回り大きくして厚みを持たせたような形状のデバイス。スマートフォンからBluetooth経由でクレジットカードやデビットカードなどの情報を登録しておくと、レジの磁気リーダーにかざして支払いに使える。20枚分のカード情報を登録しておけるので、サイフからカードを追い出せる。
レジとの通信は、磁気を利用する独自開発の技術「Magnetic Flux Emulation(MFE)」で処理する。これにより、磁気カードをリーダーに通すのと同じデータ処理が、Spendwalletをかざすだけで済む。
Spendwallet内部のカード情報は、鍵長256ビットの暗号化処理で守られる。スマートフォン上のパスコードや指紋による認証でもカード情報を保護する。連携させたスマートフォンとの距離が離れると自動ロックされたり、情報が自動消去されたりするので、悪用される心配はない。
Indiegogoでの目標金額は3万ドル。記事執筆時点(日本時間5月19日11時)で約2万2000ドルの資金を集めている。キャンペーン期間はあと1カ月ある。
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