電子書籍が、これまでよりずっと動的でインタラクティブなものになる可能性がある。World Wide Web Consortium(W3C)と国際電子出版フォーラム(IDPF)が2017年1月をめどに統合する計画であることが、その理由だ。まずは、ウェブの基盤となるテクノロジの発展と標準化、次に電子書籍のパッケージ化に使用されるEPUBフォーマットに取り組む予定だ。ウェブの生みの親でW3Cを統括するTim Berners-Lee氏は米国時間5月10日の発表で、計画された提携が実現すれば、「デジタル出版向けのリッチメディア環境が生まれる」だろうと述べた。
現行の「EPUB 3.0」規格は、既にウェブ技術を採用しているが、電子書籍の分野は依然としてウェブから切り離されたままだ。「Portable Web Publications」という新たな取り組みは、こうしたギャップを解消するものになる。これにより、単一のウェブ文書を発行して複数の章立てにすることが容易になり、ページからページへ表示を切り替えることや、教科書で数式がより扱いやすくなるだろう。
それにも増して素晴らしいのは、作家がウェブの持つ能力を引き出すのを促す機会になることだ。具体的には、書籍に動画、音声、写真を組み込んで生き生きとしたメディアにすることや、「ステロイド」に関する脚注などの外部ソースへのリンクを埋め込んだり、さらには、ソフトウェアの実行を追加するといったことが考えられる。さまざまなコンピュータアルゴリズムを視覚化する方法を学べるMike Bostock氏のページには、そうした一例である動的なイラストが掲載されている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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