Amazonは米国時間5月10日、「Amazon Video Direct」(AVD)を発表した。プロの映像スタジオと一般ユーザーの両方がサービスを通して自作動画を公開できる新しいオープンなプラットフォームだ。動画制作者は、自作動画をAmazonのストリーミングサービス「Prime Video」上で公開して、レンタル提供または販売したり、登録チャンネルを作成したりできる。
Amazonの広報担当者は声明で、「『Amazon Studios』によって映像作家と直接作業したり、AVDによって映像作家にセルフサービスの機能を提供したりと、われわれは常に、コンテンツ制作者が関心のある視聴者を見つけられるように、また、顧客が素晴らしいコンテンツを容易に発見できるようにするための方法を模索している」と述べた。
新しいAVDプログラムは、同社がほんの数週間前にスタンドアロンサービスとしての提供を開始したAmazon Prime Videoの促進につながるはずだ。Amazon幹部らは、2016年はこのストリーミングサービスに投入する資金を増額する計画だと述べており、それによって同サービスは、NetflixやHuluに対する競争力を高めることになるはずである。Amazonは既に、動画のライセンス契約、オリジナル番組、Twitch上のゲーマー用コンテンツによって、膨大な動画ポートフォリオを構築済みである。
AVDは、Googleの親会社であるAlphabetに対するAmazonの競争力がますます高まっていることを示すさらなる兆候でもある。技術大手である両社は、クラウドストレージサービス、食品配送、民生用電子機器の分野で顧客獲得を争っている。AVDによって、AmazonはGoogleの「YouTube」を相手に新たな競争を仕掛けているように見える。しかし、YouTubeは既にインターネット上で最大規模の動画サイトであるため、これに対抗する足掛かりを得ようというのは、Amazonにとって厳しい戦いになるだろう。
AVDは、電子書籍向けにAmazonが提供する「Kindle Direct」と同様にすべてのユーザーに対して公開されており、「Become an Amazon Video Direct Star」(Amazon Video Directスターになろう)というキャッチフレーズは、いわゆるYouTubeスターに直接対抗することを狙っているように思われる。やや発音しにくい名称だが、配信収益に上乗せして毎月100万ドルを用意するというこの約束は、次のPewDiePieを目指すユーザーを引き付けるのに役立つ可能性がある。100万ドルは、Prime VideoにおけるAVDタイトル上位100作品で分配される。
制作者は、Amazon Prime会員によるストリーミング時間に基づいて作品に対するロイヤルティを得るとともに、販売、レンタル、広告による収益の一部を得ることができる。
最初のパートナーとして、Conde Nast Entertainment、HowStuffWorks、Samuel Goldwyn Films、the Guardian、Mattel、Jash, Machinima、Baby Einstein、Kino Nation、Pro Guitar Lessonsなどが既に同プログラムに参加している。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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