新興企業のSIRIN LABSが、セキュリティを重視したハイエンドのモバイルデバイスを発売する計画だ。同社は7200万ドルの資金調達に成功し、スマートフォン市場の新たなプレーヤーとなる準備を進めている。
イギリスとイスラエルに拠点を構えるSIRIN LABSは現地時間4月25日、ロンドンのメイフェア地区に来月オープンする専用ストアにて、この新しいデバイスの販売を開始することを明らかにした。
「SOLARIN」と呼ばれるこのスマートフォンは、「クオリティに妥協がない最高レベルのプライバシーと接続性」を求めるエグゼクティブ向けの製品になると同社は述べている。
製品名以外に明らかになっていることはほとんどないが、SIRIN LABSが目指しているのは、「最高クラスのプライバシー設定」とパワフルな処理速度を備え、ラグジュアリーな素材を用いた先進的なスマートフォンだという。
Reutersによると、同デバイスはGoogleの「Android」OSベースとなる。また、ミリタリーグレードのセキュリティを備える予定で、これについては暗号化機能の搭載などが考えられる。
SIRIN LABSの最高経営責任者(CEO)を務めるTal Cohen氏は、声明の中で次のように述べている。
「価格を再優先に考える大手テクノロジ企業と異なり、SIRIN LABSは最先端のテクノロジを顧客に届けるまで数年間も待つ必要はない。
「われわれの意思決定に影響を与えるのはコストではなく、最適な機能と品質だ」
SIRIN LABSの共同創設者で社長のMosche Hogeg氏はTechCrunchに対し、このデバイスの価格が1万ドルから1万5000ドルになると明かした。
ただし、電気自動車メーカーのTesla Motorsが徐々に価格を下げているように、同デバイスの価格が今後も高いままとは限らず、SIRIN LABSも同様にする可能性があると、Hogeg氏は述べている。
このデバイスが消費者の心を捉え、特に「BlackBerry」の企業ユーザーを惹きつけることができれば、SIRIN LABSはSilent Circleのライバルになる可能性がある。Silent Circleはプライバシーを重視したAndroidスマートフォンをすでに提供しているが、その価格はSIRIN LABSよりはるかに安い。
Silent Circleが現在発売している「Blackphone 2」は、Android OSのカスタマイズ版をベースとしたスマートフォンで、高度なプライバシー、管理、暗号化の機能を備えており、価格は799ドルだ。
SIRIN LABSの創設と出資に関わっているのは、カザフスタン人実業家のKenges Rakishev氏、イスラエルのベンチャーキャピタリストMoshe Hogeg氏、Hogeg氏が創設したベンチャーキャピタルのSingulariteam、およびMcKinsey & Companyの元コンサルタントTal Cohen氏だ。また、中国企業のRenrenも出資者に名を連ねている。
SIRIN LABSはテルアビブに本拠を置き、ソニーモバイルコミュニケーションズの元製品ディレクターFredrik Oijer氏が製品開発を指揮する。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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