廣瀬氏 利用可能になります。実際のフィールドでの運用はまさにこれから本番です。講師陣やチューターの方にもマニュアルを作成・配布し、スムーズに運用できるように配慮しています。
髙宮氏 実は、教育ベンチャーに投資している投資家の期待の目線と、そこに応えきれていないエドテックが多いという印象を持っています。理由として、教育は4月に大きな切れ目があり、4月にテストしてから本格運用開始となると来年4月からのスタートになってしまう。夏期講習からサービスをスタートするというわけにもいきません。4月の新学期からの提供が一番なんです。そこはスタディプラスにも頑張っていただきました。
ただし、生徒へのアプリの使用は強制できません。強い推奨という形で提供します。アプリを使ってもらった方が指導しやすいのですが、18~19歳の子たちの中には、絶対にそういったデータを見せたくないという子もいなくはないのです。
髙宮氏 多くの教育系事業者や大手通信キャリアが講義動画を配信するサービスを展開していましたが、結局みんな1~2年で撤退してしまいました。理由は明確で、サービスのプレゼンでは「いつでもどこでも勉強できる」といいますが、実際いつでもどこでも勉強しないじゃないですか。自習室に行ったり、図書館で勉強することになります。IT事業者が考える勉強のあり方と、受験生の勉強の仕方は違ってて、やはり"場”があっての勉強じゃないかと我々は考えています。
廣瀬氏 スタートアップで講義動画を配信するサービスもあります。リアルな場所を持っている、通信教育の企業が提供しているものもあります。ただし、予備校を持っている代ゼミのような企業が、本格的にエドテックを導入してリアルと融合するというのが意外とありそうでなかったのです。
髙宮氏 教育とITの融合はずっと模索していて、携帯電話キャリアから動画の配信の話があったのですが、インターネットを使って動画配信して儲けたいという人たちが教育コンテンツをやろうとしてました。メーカーも教育向けデバイスを持ってくるのですが、これができます、あれができますと言っているのにもかかわらず、メーカーの方も紙でメモを取っている。まったく生徒目線じゃありませんでした。今になって生徒目線のスタディプラスが出てきて、すっと入ってきたという感じです。
髙宮氏 いくつか予定していますが、後日発表する予定です。
2016年は、エドテックやITと学びの場の融合が大きなテーマになると感じています。年末に全国の塾などが集まる大きなパーティーがあったのですが、その場でエドテック関係者を多く見かけました。エドテックが立ち上がった2012年前後から3~4年が経ち、次のステージとして学びの場との融合が大事だと各社さん気づかれたようで、年末にかけてたくさんのお話を頂きました。
既存のプレーヤーとしてもこのままじゃいけないと思っているし、若いプレーヤーもITだけでは中々完結しないというところで、接点ができ始めたんだと思います。2016年は、ITと学ぶ場のハイブリッドに関するニュースが増えてくると思います。
髙宮氏 代ゼミという名前自体が革新的なものですし、代々木って新しいことにチャレンジする街だと思っています。たとえば、アニメーションや声優さんの学校があったり、面白いものを生み出したりしています。現在、マクドナルドの一番古い店があるのも代々木です。
代々木にはベンチャー企業もたくさんあります。渋谷と六本木に電車一本で行ける土地柄からか、スマートフォンアプリなどを作っているメンバーが多い印象です。代ゼミの会議室でベンチャー企業の集会が開かれたこともあります。非常に刺激を受けますし、教育ってコンサバになりがちなので、新しいことに挑戦しづらくなります。新しいことにチャレンジする街のDNAをつないでいきたいという思いがあります。
廣瀬氏 我々も代々木のスタートアップとして、DNAを受け継いでいきたいです。
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