クラウドファンディングサービス「Indiegogo」で30万ドルもの資金を集めるほど注目された、水中を魚のように泳げる人工エラ「Triton」の製品化キャンペーンだったが、一旦中止されることになった。製品の実現性に疑問を持たれ、実証ビデオを公開するなどしたが疑いを晴らせなかったようだ。集めた資金はすべて支援者に返金し、改めて新たなキャンペーンを立ち上げる。
Tritonの開発チームは5万ドルの資金を集めるためIndiegogoでキャンペーンをスタートさせ、開始からわずか2日で目標金額に到達。開始後6日で500%もの支援金を集めた。記事執筆時点(日本時間4月7日11時)で、779人が30万8893ドルを出している状態。
人気キャンペーンになって支援が集まった一方、実際に作動するようすをビデオで確認したいという声も寄せられたという。そこで、開発チームはキャンペーンページのビデオに加え、Tritonが実際にプールで機能していることを証明する長いビデオを4月1日に公開した。
実現性が疑われた要因の1つとして、開発チームは、水から酸素を取り出すTritonの心臓部である「liquid oxygen(液体酸素)」モジュールの技術開示をためらったことにあると考える。liquid oxygenはTritonの成功に欠かせない知的財産であるため、これまで詳細を明らかにせず守ってきたそうだ。liquid oxygenが要交換モジュールだといった情報は最初から掲載するべきだったとしており、今後は機能の仕組みを分かりやすく公表するとした。
支援者には全額返金し、返金手続きが完了したらTritonキャンペーンを取り下げる。そして、新たなキャンペーンを開始する計画。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」