何十年もの間、コンピュータの処理能力は着実に向上してきた。チップに搭載されるトランジスタの数が約2年ごとに倍増していたからだ。
ムーアの法則として知られるこの流れはしばらく前から停滞しているが、米国時間3月22日、Intelがコンピュータチップの製造方法を根本的に変更すると発表したことで、新たな打撃を受けた。
Intelはチップ製造に関して、数年前から「チックタック」アプローチを採用してきたが、これが廃止されることになった。チップ上のトランジスタと回路の微細化の継続がますます困難になっていることが原因と思われる。
「チックタック」モデルとは、Intelが新しいチップの製造に関して採用したアプローチのことだ。Intelは約1年おきに工場をアップグレードして、より微細なトランジスタと回路を使用するチップを製造していた。それにより、トランジスタの密度が増し、これらのプロセッサの性能とエネルギー効率も向上する。これは「チック」として知られていた。
これらのチックの間の年には、Intelは新しいマイクロアーキテクチャを持つチップをリリースしていた。これは「タック」として知られていた。
実際には、これにより、Intelが新しいマイクロアーキテクチャをベースとするチップをリリースした次の年には、それと同じマイクロアーキテクチャをベースとするが、より微細で高密度のトランジスタを使用して製造された新しいチップが登場するサイクルが確立された。
このアプローチが変わる。Intelがチップ用トランジスタを微細化するペースを落とすと発表したからだ。
Intelは「チックタック」製造アプローチを採用する代わりに、同社が「プロセス、アーキテクチャ、最適化」と呼ぶアプローチに移行する。
Intelは14ナノメートル製造プロセスをベースとする現行プロセッサ群で、既に非公式にこのアプローチを採用している。
Intelは当初、2種類の14ナノメートルチップ(「Broadwell」と「Skylake」)をリリースした後、2016年に「Cannonlake」と呼ばれる10ナノメートルチップをリリースする計画だった。しかし、同社は10ナノメートルのCannonlakeのリリースを2017年まで延期し、その代わりに「Kaby Lake」として知られる新しい14ナノメートルチップを2016年後半に発表することを2015年に発表した。
Kaby Lakeは、Skylakeを微細化したものではなく、新しいマイクロアーキテクチャをベースとしているわけでもない。Kaby LakeはSkylakeと同じマイクロアーキテクチャをベースとするが、Skylakeと比べて性能が向上しており、新機能も追加されている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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