ソフトバンクとジャパン・プロフェッショナル・バスケットボールリーグは3月10日、ソフトバンクが「B.LEAGUE(Bリーグ)トップパートナー」に決定したと発表した。
Bリーグは2016年秋に開幕する男子プロバスケットボール新リーグで、日本全国から集まった45のクラブが3部(B1/B2/B3)に分かれて8カ月間戦う。
今回の契約により、ソフトバンクは独占的に「有料放送」と「インターネット放送」の権利を獲得した。今後、B1とB2はスマートフォンを通じて開幕の試合からすべての試合をライブ配信する方針で、B3に関してはこれから検討するという。
配信料金は検討中で、ソフトバンクユーザーを優先するが、ソフトバンクユーザー以外も見られる道を用意する。なお地上波放送とBS放送(無料)は、B.LEAGUEが放映権を所有する。
なぜソフトバンクはメインスポンサーになることを決めたのか。ソフトバンクの企業理念である「情報革命で人々を幸せに」を軸に、ITの力で一人でも多くの人にスポーツの喜びや感動を伝えていきたいと説明する。
ソフトバンクグループ代表取締役社長の孫正義氏は、2010年に今後の戦略を語る「新30年ビジョン」を発表するにあたり、Twitterを通じて「人々にとって幸せとはなにか」を聞いた結果を振り返り、「『幸せ=感動』だということだった。家族、友達、恋人と感動を分かち合う。スポーツがもたらすのもまさに感動だと思う。ソフトバンクホークスを運営する立場になってみて、改めてスポーツに対する思い、得られる感動の強さに心から感じるものがあった」と語った。
日本バスケットボール協会 会長でB.LEAGUE 名誉会員の川淵三郎氏は、今回の契約に至った背景について、孫氏とはJリーグが開幕したころからの関係だったと説明する。「Jリーグの試合を中継したいと、放送権の獲得に私のところにやってきた。白紙の小切手を前に『好きな金額を書いてください』と言われたが、NHKと決まっていたので、誠に申し訳ないとお断りした思い出がある」と振り返った。
今回のトップスポンサーの話は、川淵氏が孫氏に電話をしてから2日で決定したとし、「このスピード感には驚いた」と明かした。
「ソフトバンクがトップパートナーとなることで、B.LEAGUEも変わっていく。いつでもどこでも、見たいときに見たい場面を見られる。想像したよりもはるかに先に先に進んだ情報発信力で、余すことなくお伝えできる。孫さんは私に、『グループ全力で応援する』と言ってくれた。こんなに嬉しいことはない」と笑顔を見せた。
バスケットボールの競技人口は、世界で見るとサッカー(2.6億人)よりも多く、4.5億人いるのだという。国内で見ると、競技者登録数のうち9割が18歳以下で、56.4万人。シニアになると6万人にまで落ち込む。「その先の環境が整備されていないために、愛好者やファン層が獲得できていない。ここを開拓することで、日本のバスケットボール界が大いに変わる可能性を秘めている。1億円の年俸を取る選手を1年でも早く作り出していきたい」と意気込みを見せた。
発表会には、ゲストとしてお笑いコンビ「ハリセンボン」の近藤春菜さんと箕輪はるかさん、リンク栃木ブレックスに所属するプロバスケットボールの田臥勇太選手が登場した。
トークセッションでは、3人が考えてきた実現したいアイデアに、孫氏と川淵会長が即時に採用・不採用を判定するイベントが行われた。近藤さんは、「試合観戦中にスマホを選手にかざしたら選手情報が見えて、空いたコップをかざしたらドリンクを持って来てくれる機能を持つアプリ」とリクエスト。
孫氏は背番号を認識すれば、選手の情報は出せる。ドリンクは何を飲んだかが難しいと考えながらも「やりましょう。技術的にはできる。開幕までに間に合わせましょう」と応じた。
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