「Raspberry Pi」の第3世代「Raspberry Pi 3」が英国時間2月29日、リリースされた。価格は前世代モデルと同じ35ドルで、Wi-Fi(802.11n)とBluetooth 4.1が追加されている。Wi-Fiを搭載し、イーサネットに接続しなくてもインターネットにアクセス可能になる。またBluetoothを搭載することで、ワイヤレスキーボードやマウスを接続してPi 3を制御したり、センサや他のデバイスとワイヤレスで通信したりできるようになる。
Raspberry PiはCPUやグラフィックスカード、メモリなどのコンポーネントを搭載する小さなマザーボードだ。趣味または仕事で開発を行う人や学生向けに設計されている。Piをモニタやキーボード、マウスに接続して、ベーシックなコンピュータとして使うことができる。
Piの最大の目的は、このデバイスに手を加えてプロジェクト開発を進められるようユーザーを支援することであり、特に学生にアプリケーション設計を通して問題を解決する方法を教え、コンピュータ科学に関心を持ってもらうことだ。
「PCの代わりとして、または組み込みコンピュータとして使用するのが、Piの主な2つの使用方法である」とRaspberry Pi Foundation共同創業者のEben Upton氏はBBCに対して述べた。「Pi 3は、新たな機能を追求することよりも、その両方の使用手段について機能を強化することに注力した」(Upton氏)
今回の新しいエディションには、1.2GHz、64ビットのARM製クアッドコアCPU「Cortex-A53」が搭載されている。前世代モデルは900MHz、32ビットのARM製クアッドコアプロセッサ「Cortex-A7」を備えていた。Upton氏によると、プロセッサのアップグレードやその他の改良により、32ビットモードで「Pi 2」より50%、初代Piより10倍高速になったという。
Raspberry Pi 3は、これまでの2世代のモデルと互換性があり、PiまたはPi 2で作成したプロジェクトはすべてPi 3でも動作する。
Pi 3は、Raspberry Piと提携するElement14やRS Componentsなどが販売する。
Piを実行するには、Raspberry Pi Foundationの公式サポートOSである「Raspbian」のコピーをダウンロードする。「Ubuntu Linux」や教育用Pi管理システム「Pinet」など一部のサードパーティー製OSをダウンロードすることもできる。「Windows 10 IoT」のコピーをダウンロードすることも可能だ。
最初のRaspberry Piは、ちょうど4年前の2012年2月29日に登場した。それ以来、出荷台数は800万台を超えたとUpton氏はブログで述べた。Raspberry Pi Foundationは、少数のボランティアで運営されていたが、60人を超えるフルタイムの従業員を擁する組織へと拡大した。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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