Amazon Web Services(AWS)がビデオゲーム市場に真剣勝負を仕掛けている。クラウドコンピューティング大手の同社は米国時間2月9日、「Lumberyard」をリリースした。Lumberyardは、クラウド接続でクロスプラットフォームのゲームを構築するための無料でオープンソースの3Dゲームエンジンである。
AWSはLumberyardによって、ゲーム開発者に訴求する。Lumberyardには「Twitch」ビデオサービスが統合されており、究極的には仮想現実(VR)をターゲットとしている。携帯端末とVRヘッドセットのサポートに現在取り組んでおり、数カ月のうちに準備が整うはずだとAmazonは述べた。
同エンジンは、AWSクラウドコンピューティングサービスとTwitchのソーシャルおよびストリーミング機能に「深く統合」されている。Amazonによると、Twitchは現在、月間配信者数が170万人以上、月間視聴者数が1億人以上いるという。
その目的に向けて、Lumberyardが持つ最大の強みの1つは接続性である。Amazonは、開発者らがサーバの問題に煩わされたり、カスタムエンジンコンポーネントを構築したりすることなく、最初から大規模なソーシャルコミュニティーに対応可能なゲームを設計するための手段として同エンジンを売り込んでいる。
Lumberyardには、ゲーム視聴者が配信者とリアルタイムにコミュニケーションするための「Twitch ChatPlay」機能が搭載されている。配信者がチャット参加者をゲームに招待することのできる「Twitch JoinIn」も装備する。
AWSは9日、「Amazon GameLift」のリリースも発表した。これは、セッションベースのマルチプレーヤーゲームの展開、運営、規模調整のためのサービスだ。GameLiftとLumberyardの組み合わせによって、開発者はプレーヤーの需要に応じてゲームサーバの規模を調整できると、同社は述べた。
ただし、Lumberyardとは異なり、GameLiftではプレーヤーあたりの料金がわずかながら課金される。
「ゲーム開発者らと話をしたところ、最高水準の商用エンジンと同等の処理性能と機能を備えつつ、価格を大幅に抑えたゲームエンジンで、ゲーマーコミュニティー向けのバックエンド処理とTwitch用にAWSと深く統合されているものが欲しいとのことだった」とAmazon Gamesバイスプレジデントを務めるMike Frazzini氏は述べた。
Lumberyardは現在、ベータ版の段階にあり、無償でダウンロードできる。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス