ソフトバンクは1月27日、人型ロボット「Pepper」の法人モデル「Pepper for Biz」が一同に集結する法人向けイベント「Pepper World 2016」を開催した。
イベントに先駆けて行われた記者会見で、ソフトバンク 代表取締役社長 兼 CEOの宮内謙氏は「日本企業の課題は“人材不足”であり、救世主はPepper for Biz。2016年はスマートロボット元年になる」と語った。
法人向けモデルは2015年10月から発売を開始。料金プランとして、月額税別5万5000円×36カ月(合計税別198万円)のレンタルプランが用意されていることから、人件費になぞらえて「月給は5.5万円」と説明。
導入企業はすでに500社を超えるという。みずほなど全国37の銀行・信用金庫や、日産自動車が女性の車選びのために独自の認定基準を設けて運営する「レディ・ファーストショップ」の100店舗などで導入していると紹介した。
みずほ銀行では対応した顧客の10%以上をカウンターに送客。ネスレ日本では、コーヒーマシンの販売スタッフとして150店舗でPepperを導入したことで、集客効果などにより売上げは15%増になったという。
単なる“客寄せ”としての効果だけでなく、製品の説明もできるほか、ロボットの特性を生かして、訪れた時間や年代、性別などの接客データを可視化することでさまざまなメリットが得られると説明した。
また、ヤマダ電機の一部店舗では、訪日客に英語や中国語でフロア案内をし、顧客満足度や店内回遊率が向上したという。
ソフトバンク自身も全国のソフトバンクショップに導入しており、販売員はいるが、不足しがちな状況下でPepperが役立っているという。呼び込みや『機種変更ですか?どんな端末がいいですか』とPepperがあらかじめヒヤリングすることなどにより、集客は1.5倍、販売増にもつながったという。2月末までには2000店舗に導入するほか、「効果が高かったので、全店舗に導入しようと思っている」(宮内氏)と語った。
なお、世界初となるロボットだけで接客する携帯電話ショップ「Pepperだらけの携帯ショップ」を期間限定で東京・表参道にオープンすることを発表。
さらにPepper for Biz向けのロボアプリストア「ロボアプリマーケット for Biz」を、2月22日にオープンすることも明らかにした。マーケットでは、自社の活用方法に合ったロボアプリを選べる。
マーケットに登録されているロボアプリは、「ロボアプリパートナー」の認定を受けた企業によって開発されており、ソフトバンクロボティクスによる審査を通過したもの。ユーザーは、利用したいロボアプリの利用ライセンスをマーケットで購入すると、ロボアプリが利用できる仕組みだ。
ソフトバンクロボティクス 代表取締役社長の冨澤文秀氏は、「準備は整った。世界はIoT、AIを含めて動き出している。今後何十年、何百年の戦いになるが、日本発のロボットとして勝ちたい」と意気込みを見せた。
発表会には、「契約」「店長」「ひまつぶし」の肩書を持った3台のPepperと、ゲストとして小泉今日子さん、広瀬すずさん、ピース・綾部 祐二さん、又吉直樹さんが登場した。店長Pepperは、表参道にオープン予定のPepperだらけの携帯ショップについて、「受付も接客もPepperだけでやっちゃうんです。これって、すっごくないですか~?」とゲストに語りかけ、笑いを誘った。
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