国際宇宙ステーション(ISS)が新たなロボットを導入する計画だ。アイデアは一般から募集する。
米航空宇宙局(NASA)のCenter of Excellence for Collaborative Innovation(CoECI)は、現在開発中のフリーフライングロボット「Astrobee」で人材募集サイトFreelancer.comと手を組んだ。このプロジェクトは、Astrobeeに搭載するロボットアームのコンセプト作りに関わるもの。NASAとFreelancerは、同サイトに登録した世界中のフリーランサー1700万人からデザインを公募する予定だ。
Astrobeeは、NASAがISSに送り込んだ最初のロボットではもちろんない。NASAは2011年、特に危険な作業において宇宙飛行士を手助けすることを目的とした人型ロボット「Robonaut 2」を投入した。今回、NASAのエンジニアが開発しているロボットは、人型ロボットとは多少違ったデザインだ。
Astrobeeのデザインは、耐久性を高めたラジカセ型になる。この小型のフリーフライングロボットは、宇宙ステーションの内部を自律的に移動することができ、調査やシステム検査といった一連の決められた作業や繰り返し作業を実行する。可動型のセンサプラットフォームとして機能するほか、さまざまな活動や特別なイベントを記録するカメラとしても機能する。言い換えれば、これまでに作られた中で最も高価な自撮り用デバイスになりそうだ。
Astrobeeの最も重要な構成要素の1つに、小型軽量の多関節アームがある。このアームは、特定の場所にとどまったり、小さな物体とやりとりしたりするために使われる。NASAは独自のデザインに取り組んでいるが、今回、別のコンセプトを見つけ出すために一般からのアイデアも募集することにした。
NASAとFreelancerが協力するのはこれが初めてではない。NASAは過去にも、スマートウォッチアプリのデザインをクラウドソーシングしたことがある。このスマートウォッチアプリは今後、宇宙飛行士によって使用される可能性がある。世界中のグラフィックス、エンジニアリング、工業関連のデザイナー1000人以上がこの課題に参加した。
Freelancerの最高経営責任者(CEO)Matt Barrie氏は、「NASAとFreelancer.comは、ロボット宇宙飛行士Robonaut 2の画像認識システムの訓練に役立つCADモデルを構築するため、Freelancer.com上でクラウドソーシングを実施し大きな成功を収めた」と述べている。「われわれは今、当サイトの登録フリーランサーから結集した能力を活用し、国際宇宙ステーションで使用される可能性があるロボットアームを設計することに心躍らせている」(Barrie氏)
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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