KDDIは12月22日、米Ossiaとともに、家庭やオフィス内に点在する複数の機器を同時に給電できるワイヤレス給電技術「Cota(コータ)」の実用化を目指し、ワイヤレス給電システムを共同開発したと発表した。
同社は1月にコーポレートベンチャーファンド「KDDI Open Innovation Fund」を通じて、半径10メートルまでにある機器を、1台のトランスミッターでワイヤレスに充電できる技術を有する米Ossiaへの出資を発表していた。
Cotaは、Ossia独自のワイヤレス給電技術。従来の装着型電池とは異なり、最大約10m離れても、最大1wまでの給電ができる。特徴は、Wi-FiやBluetoothと同じ周波数帯である2.4GHz帯の無線を用いる電波伝送方式にて、複数かつ広範囲の給電が可能であること。また、障害物がある場合や、受電側が移動している場合でも給電できる。さらに、受電側のレシーバーは、ローコストで実装できるため、IoTデバイスに適しているという。
KDDIによると、デバイスメーカーや開発者向けには、チャージャーやレシーバーだけでなく、給電を操作するためのクラウドやモバイルアプリの開発までを含む、総合的なプラットフォームを提供するという。これらは、家庭内や学校・会社などの公共施設内、医療機関などでの利用も想定しているとしている。
両社は2016年1月6~9日までの会期で、米国ラスベガスで開催されるイベント「CES 2016」のOssiaのブースで、ワイヤレス給電のデモンストレーションを披露する予定。スマートフォンのバッテリケースとIoTデバイス内のバッテリをワイヤレスに給電する「ワイヤレス給電」と、スマートフォン固有のIDである「au ID」を用いて、チャージャーが給電するデバイスを設定・登録することで給電を制御する「認証給電」の2つをデモを披露するという。
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