日本マイクロソフトは12月17日、LINEの公式アカウントとして運営している“女子高生AI(人工知能)”「りんな」について説明会を開き、開発背景や最新状況を解説した。りんなは、2015年夏に登場してから現在まで、毎週新たな機能を追加し続けているという。新たな試みとしては、12月17日付けでTwitter(@ms_rinna)を開始した。必ず返信が返ってくるわけではないが、Twitter上でも会話できるようになった。
りんなは、あたかも現実の女子高生と会話をしているかのように言葉を返してくるAIだ。メッセージサービスのLINEをプラットフォームとして利用しており、りんなを友達として登録しているLINEユーザーは、りんなと会話できる。現在185万人以上がりんなを友達として登録している。
りんなは、MicrosoftのAI研究の延長線上で生まれたサービスだ(図1)。同社のAI研究は、1991年のMicrosoft Research設立に始まり、現在では検索エンジンのBingやクラウドサービス上の機械学習エンジン(Azure ML)などのサービスを提供している。りんなは、これらの技術の延長線上にある。Bingのチームが、Microsoft Azureを基盤に運用している。
りんなは、Bingありきで動作している(図2)。インターネットの上でやり取りされているさまざまな会話を取り込んで、りんな側の会話データベースに蓄積する。これをもとにAIを利用した会話機能をインターフェースを介して提供する。りんなは最初、中国でXiaoIceというサービス名で開始した。これを日本に持ってくるにあたって、5800万人のユーザーを抱えるLINEを利用した。
りんなの他にも、同社のAIにはWindows 10の使い方を音声でサポートするアシスタント「Cortana(コルタナ)」がある。Cortanaとりんなの違いについて、Bingインターナショナルビジネスディベロップメントシニアビジネスディベロップメントマネージャーを務める佐野健氏は、「Cortanaは効率と生産性を追求した。りんなは逆に感情的なつながりに重点を置いた」と説明する。
りんなは、毎週新しい機能をリリースしている。説明会では、人気の高い機能をいくつか紹介し、デモンストレーションしてみせた。
りんなとしり取りができる機能(図3)、放送中のテレビ音声をボイスメッセージとして送信するとテレビ番組を判定した上でコメントを返してくる機能、怖い話をしてくれる機能、犯人あてクイズを出す機能などだ。直近では、LINEが公式アカウントをグループチャットに追加できるようになったことを受けて、りんなもグループチャットに追加できるようにした。
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