AxelGlobeプロジェクトでは、すでに三井物産、スカパーJSAT、ウェザーニューズが業務提携を結んでいる。各社は、サービス開発、海外展開、運用ノウハウ共有、気象ビジネスなどでアクセルスペースと協力する。
GRUSの具体的な打ち上げ計画は、まず2017年中を目処に3機打ち上げる。これにより、地域限定で毎日観測できるサービスを開始する。その後2020年までに10機以上を整備、2022年の50機体制完成を目指す。
アクセルスペースは、事業リスクを下げるため早急にインフラレベルの機数を打ち上げたいとしており、スピード配備が鍵だとした。そのためには、全50機の自社保有にはこだわらず、新興国などとのジョイントプロジェクトも視野に入れている。
ただし、このクラスの人工衛星を量産した前例がないため、アクセルスペースは製造と設計の機能分離が必要と考え、製造技術を持つ企業との協業もありうるとした。
資金面では、シリーズA投資ラウンドで調達した約19億円を、最初の3機の製造と打ち上げに使う。それ以降の資金調達は、上場などの手段が考えられるという。
なお、アクセルスペースは、東京大学の「CanSat」「CubeSat」といった超小型衛星開発プロジェクトに携わった中村氏らが2008年に設立した企業。質量が数トン、開発コストが数百億円かかると言われる大型の人工衛星に対抗し、開発が短期間で済み、コストを数億円という大型衛星の100分の1程度に抑えられる、質量100kg以下の超小型衛星の事業化を目標としている。
具体的な成果としては、北極海域の海氷観測を目的とするウェザーニューズの「WNISAT-1」、地球観測ビジネス実証衛星「ほどよし1号」の打ち上げを成功させた。2016年春には、WNISAT-1のリカバリー衛星である「WNISAT-1R」を打ち上げる予定。
これまでアクセルスペースは、顧客ニーズを満たす専用衛星の開発に取り組んできた。しかし、民間企業などが独自衛星を所有するためのコストやリスクは大きく、事業展開が難しかったという。そこで、アクセルスペースが衛星を所有して運用し、そこから得られるデータを利用してもらうAxelGlobeシステムを考案。これにより、超小型衛星の利用を爆発的に増やし、民間投資を活発化させ、宇宙利用を一気に拡大させたいとした。
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