富士通は12月7日、バッテリーレス・フレキシブルビーコンの試作機で、ビーコンとして世界初となるucodeタグの認定をトロンフォーラムから取得したと発表した。
従来のビーコンは、電波を発信するための電力として、電池を内蔵して定期的に交換するか、近くにコンセントを設置し、そこから常に電力供給を受ける必要があるなど、運用管理に手間がかかった。また、プラスチックなどのハードカバーで覆われたビーコンが主流であるため、景観との調和が求められる場所や、設置したビーコンが落下する危険性に配慮が必要な場所には導入しにくいといった課題があった。
今回の試作機は、柔軟性の高いシリコンシートをベース基盤として、導電性のあるペーストで配線を印刷。同じく導電性のある接着剤で電気部を実装することで、従来のハードカバーで覆われたビーコンと比べて高いフレキシブルさを実現した。
さらに、ビーコンは変形可能な特性を生かして、服や靴へも貼付ができるため、人などの移動体への装着が容易になった。対象としたい人やモノの所在をすばやく把握し、サポートできる。
今回は、ucodeタグの認定を取得したことにより、世界で一意なID発信が可能になった。より信頼性の高い位置情報サービスが実現できるほか、国際標準規格に準拠したIDが使えるようになるため、視覚障害者の誘導支援やスタジアムなどの効率的な座席管理などのほか、サービス提供のベースとなる各種地図情報との連携も可能になるという。
なお、本ビーコンの試作機は、12月9日~12月11日に東京ミッドタウンで開催される「2015 TRON Symposium -TRONSHOW-」に参考出品される予定だ。
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