Bill Gates氏、Mark Zuckerberg氏、Richard Branson氏といった技術業界の著名人らが、ゼロエミッション技術の推進を目的とした投資ファンドBreakthrough Energy Coalition(BEC)を発足した。
Zuckerberg氏らは、パリで開幕した国連気候変動会議COP21に合わせ、同ファンドの設立を発表した。COP21には、世界各国の首脳が出席し、地球温暖化と今日のエネルギー問題について議論する。
BECは、信頼性が高く、低価格で、環境に優しい、広く利用可能なエネルギーを提供するゼロカーボン技術への投資を推進することを目指している。主に「今日の技術の効率、拡張性、価格を劇的に改善しうる新技術とイノベーション」に関連する研究活動に関心を寄せている。発電と蓄電、輸送、工業、農業、エネルギーシステム効率など、複数の分野に投資する計画だ。
Bill Gates氏は、風力発電と太陽光発電が、二酸化炭素を排出しない未来にある程度の役割を果たすが、化石燃料がますます枯渇する中で世界の稼働を維持するという課題の規模を考えると、「多数の異なる手段」を検討する必要があると述べている。
「民間企業がゆくゆくはそのような画期的なエネルギーを開発するだろうが、そのような取り組みは政府にしか出資できない基礎研究のようなものが拠り所となる。官民両方に果たすべき役割がある」(Gates氏)
Gates氏、Zuckerberg氏、Richard Branson氏のほか、Salesforceの最高経営責任者(CEO)Marc Benioff氏、AmazonのCEOであるJeff Bezos氏、Alibaba Group会長のJack Ma氏など、多数の著名人がBECへの参加を表明している。
正式な投資金額は公表されていないが、参加を表明した著名人らの出資合計額は数千億ドルにのぼる。
「われわれは現時点で既に、Facebookの施設用の再生可能なクリーンエネルギーに投資しているが、次世代に向けた明るい未来の構築というのは、企業や政府が出資しない長期的なプロジェクトに投資することでもあると考えている。それはわれわれにとって重要な目標だ。今後数日のうちにさらに詳しく発表するつもりだ」とZuckerberg氏は述べている。
「エネルギーの確保と気候の安定化を実現しなければ、教育や、世界をつなぐといった他の課題においても有意義な進歩を成し遂げることはできない」(Zuckerberg氏)
さらにBill Gates氏は、Mission Innovationと連携するため、COP21で首脳らと話し合う予定だ。Mission Innovationは、クリーンエネルギープロジェクトへの投資増加を目的に10カ国以上の国々が参加する取り組みである。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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