Uberが米国時間11月24日、ドライバーの身元確認が不十分だといった安全全般への懸念に対処するため、安全に関する諮問機関を立ち上げたと発表した。
この諮問機関はさまざまな分野の専門家で構成され、ドライバーと利用者の双方に安全で快適な乗車体験を提供することを目標に共同で取り組んでいくと、Uberは説明している。同社は各国政府や専門家との連携を高めることを2015年の目標として掲げており、今回の取り組みはこの目標達成に大きく近づけるものと言える。同社はブログでの発表で、この目標を設定した意図について、「誰もがボタンを1つ押すだけで車で移動できるテクノロジを開発するにあたって、当社が直面している課題に取り組むための適切な方法を見つけ出す」ためだと述べている。
Uberのスマートフォンアプリは、車を利用したい人々と自分の車を使って事実上のタクシー運転手となる人々を結びつけることで、既存のタクシーに代わる移動手段を提供している。
だが、このサービスは以前から安全性に関する問題で批判の的になっている。ドライバーが利用者を襲ったり、利用者がドライバーを襲ったりする事例が起きているほか、ある利用者が誘拐される事件まで発生しているためだ。
Uberは11月8日に「SafetyNet」と呼ばれる試験プロジェクトを発表した。この機能を使うと、利用者は自分が乗っているUberの車の到着予定時刻を友人や家族に通知できる。また、連絡先からあらかじめ選んでおいた人が、その利用者のおおよその現在地を示した地図にアクセスできる機能もある。さらにUberは現在、誘拐事件の発生を知らせるメッセージをその地域の全ドライバーに送信することで、市民の安全に貢献する取り組みも行っている。
新しく設置された諮問機関は現在のところ、元警察本部長、法学教授、元政府関係者、ハイテク企業と非営利団体の幹部など、6名のメンバーで構成されている。
また、現時点で70名ほどの従業員がUberの安全とセキュリティに関わる部門に所属し、サイバーセキュリティから製品開発に到る広範な問題に取り組んでいる。この部門を統括するJoe Sullivan氏は、以前Facebookで同じような部署を率いていた経歴を持つ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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