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スマホ学習塾「アオイゼミ」、KDDIやマイナビから2.8億円を調達

藤井涼 (編集部)2015年11月25日 10時00分
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 中高生向けスマホ学習塾「アオイゼミ」を運営する葵は11月25日、KDDIのベンチャーファンド「KDDI Open Innovation Fund」、マイナビ、電通デジタルホールディングス、SMBCベンチャーキャピタル、日本アジア投資、三生キャピタル、日本政策金融公庫から、総額2億8000万円の資金を調達したことを発表した。

 人材採用やサービス開発体制を強化するほか、KDDIやマイナビが抱える1000万人以上のユーザー基盤を通じた露出やプロモーションによって、さらなるユーザー数の拡大を目指す。


葵代表取締役の石井貴基氏

 アオイゼミは、2012年6月にサービスを開始した中学生・高校生向けのオンライン学習塾。月曜~土曜日の19時以降に、英語や数学、歴史や物理などのライブ授業を配信している。リアルタイムのため、実際の教室にいるかのようにその場で講師に質問したり、他の受講生とコミュニケーションしたりできることが特長で、毎日3000人を超える中高生が利用しているという。当初は中学講座のみだったが、2015年4月から高校講座も開講した。

  • 料金プランの比較

 サービスは基本無料で利用できるが、録画された授業での復習やテキストの閲覧ができる有料プランもある。また、4月には中学3年生向けの特進クラス「サクラス(SACLASS)」を開講。こちらは月額2万7000円とかなり高額だが、難関校合格に必要な学習メソッドをすべて取り入れたコースとなっており、生徒1人ひとりに専属のチューターがつく。また、24時間以内に必ず誰かが解き方を教えてくれる質問掲示板も設けられている。

 同社代表取締役の石井貴基氏によれば、アオイゼミのユーザー数は約18万人で、2016年4月に30万人を目指す。生徒の比率は中学生と高校生が5割ずつ、また女性が約6割だという。ライブ授業の数は1年前の週16コマから40コマまで拡大。講師も代々木ゼミナールや河合塾など大手予備校出身者を中心に採用し、1年前の5人から12人まで増やした。


ライブ授業はすべて同社内で撮影されている

KDDIとマイナビのユーザー基盤に期待

 今回の資金調達により、経営体制の強化を図るとともに、前年同月比200%以上に成長している受講生徒数に対応する新しいライブ配信システムや、受講生1人ひとりにあった最適な学習コンテンツのレコメンド機能なども開発する。また、大手予備校出身の人気プロ講師を採用しながら、新規科目の開講やコンテンツの拡充も進めるとしている。

 さらに、出資先であるKDDIやマイナビと事業面でも連携する。アオイゼミは、もともとKDDIのスタートアップインキュベーションプログラム「KDDI∞Labo」の第5期プログラムに参加しており、共同で中学生向けケータイ教室のライブ配信などもしていた。今回新たに、1000万会員を超える「auスマートパス」上にアオイゼミのアプリを掲載するなど、KDDIが営業支援やビジネス開発支援をしていくことが発表された。

 また、マイナビとは進学情報ポータルサイト「マイナビ進学」と連携する。マイナビにとって競合となるリクルートは、自社で「受験サプリ」などの学習アプリを開発・提供しているが、マイナビはそうしたサービスを持っていない。そこですでに実績のあるアオイゼミに白羽の矢が立ったのだろう。電通デジタルホールディングスからは、映像撮影などコンテンツの質の向上についてアドバイスを受ける予定。


リクルートの「受験サプリ」

 2015年に入り、リクルートの「受験サプリ」や、家庭教師のトライの「Tri IT」などのテレビCMも頻繁に放映されるようになり、学習アプリの認知度は向上しているようにも見える。石井氏はそうした流れは歓迎するとした一方で、「中高生の間での浸透率は、まだ全体の3割もないのでは」と冷静だ。その上で、キャズムを超えるのは2016年4月以降との見方を示した。

 また、今後は競合サービスが増えることも予想されるが、「アオイゼミは単純なライブ授業ではなく、コンテンツ+人が強み」と語り、講師や生徒同士のコミュニケーションを軸にしたサービス開発をこれまで以上に強めることで、他社と差別化していきたいとした。

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