カシオ、2万7000円のフラッグシップ電卓--アルミニウム合金の切削ボディ

坂本純子 (編集部)2015年10月01日 08時00分
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 カシオ計算機は、表示部やキー部分、質感などにこだわり抜いた電卓のフラッグシップモデル「S100」を9月30日より発売した。市場想定価格は2万7000円(税別)。

電卓のフラッグシップモデル「S100」。所有することでこだわりのライフスタイルを語れるような製品を目指したという
電卓のフラッグシップモデル「S100」。所有することでこだわりのライフスタイルを語れるような製品を目指したという

 同社は1965年9月に発売した世界初メモリ付き電子式卓上計算機(電卓)「001」から50周年を迎えた。S100は、50周年に向けて2年前から構想をあたためてきたものだという。

 素材にはアルミニウム合金を採用。表示部と入力キーが収まるメインボディ部は8mmの板から時間をかけて削り出す。表面には耐食性を高めるアルマイト処理と質感を増すヘアライン仕上げ、ボディ外周には光沢を放つダイヤカット加工、切捨てや四捨五入の設定を行うセレクターには輝きのあるスピン目仕様を施すなど、従来とは一線を画す存在感を特長とする。

8mmの板から時間をかけて削り出したアルミニウム合金の切削ボディ
8mmの板から時間をかけて削り出したアルミニウム合金の切削ボディ

 こだわりの電卓が生まれた背景には、ぞんざいに扱われがちな電卓に対する危機感があったという。電卓は今や、100円ショップでも販売され、“身近すぎる電子機器”とも言える。

一番手前は凸型でそれ以外は凹型。これは人間工学に基づき、キーの形を指の動きに合わせて配列ごとに変えた設計という。長時間の使用でも数字が消えない通常の印刷とは異なる2色形成
一番手前は凸型でそれ以外は凹型。これは人間工学に基づき、キーの形を指の動きに合わせて配列ごとに変えた設計という。長時間の使用でも数字が消えない通常の印刷とは異なる2色形成

 100円で売られている電卓と、量販店などでカシオが販売する電卓の違いはなにか。正確性と耐久性だという。「見た感じは同じように作られているが、計算が合わないなどの不具合ある。正しい計算をして正しい数字を表示するのが電卓の基本。ボタン一つとってみても、使っていると押したのに戻ってこないということが起きる。カシオ計算機には、こういう設計をすればいつまでもスムーズに使えるというノウハウがある。まじめに真摯(しんし)に作っている」とカシオ計算機 羽村技術センター CES事業部 第二開発部 21商品企画室の大平啓喜氏は説明する。

背面には、「エラストマー樹脂製ストッパー」を施し、操作時の安定感をもたらす
背面には、「エラストマー樹脂製ストッパー」を施し、操作時の安定感をもたらす

 こだわりのスマートフォンケースなど、所有しているモノでライフスタイルを語るような風潮がある中で、「電卓に限っては、実務でいいやとぞんざいに扱われるのが気になっている」と語る。

 「S100は、いい電卓として世の中に販売されている製品ををさらに極限まで正統進化させたもの。それなりのお値段だが、使うたびに喜びを感じるようなもの。贈られてうれしい、使ってもうれしいものに仕上げた」(大平氏)

 表示部には業界初となる両面反射防止コーティングを施したディスプレイウィンドウを備え、光の映り込みを軽減。さらに高いコントラストを可能にするFSTN液晶により、優れた視認性を実現した。

 キー部分にも業界初V字ギアリンク薄型アイソレーションキーを採用。キーを押したときに横にぶれないV字ギアリンク構造により、キーの高さを抑えた薄型デザインと安定感のあるキータッチを両立。加えて、キーの間隔を空けて配置するアイソレーションキーにより、より打ちやすした。

 エキスパートの電卓の使い手は、見ないでキーを打つという。キーがきちんと入ったかどうかわからないと、不安にさせてしまう。キーを離す途中から次のキーを押しはじめても数値をしっかり認識し、正確な早打ちを可能にした。「電卓メーカーだからこそ、こういう提案ができるのではないか」と語った。

カシオ計算機 羽村技術センター CES事業部 第二開発部 21商品企画室の大平啓喜氏。左手に手にしている防水・防塵電卓「WM-320MT」も大平氏が手がけたもの
カシオ計算機 羽村技術センター CES事業部 第二開発部 21商品企画室の大平啓喜氏。左手に手にしている防水・防塵電卓「WM-320MT」も大平氏が手がけたもの
「G-SHOCK携帯」の「G
「G-SHOCK携帯」の「G'zOne」を彷彿とさせるデザイン。キーが取り外せる
キーを外したところ。飲食店でラップを巻いて使用している電卓に開発のヒントを得たという
キーを外したところ。飲食店でラップを巻いて使用している電卓に開発のヒントを得たという
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