チップメーカーのAMDは最新のグラフィックプロセッサ「Radeon R9 Nano」を発表した。新しいスタック型メモリ技術により、ハイエンドゲームを消費電力効率に優れた小型システムに圧縮できるという。Radeon R9 Nano事前に予想されていたものだが、AMDは米国時間8月27日に詳細とともに発表した。
サイズは小さいが、Nanoは大型のグラフィックプロセッサに引けをとらない。フラッグシップの「R9 Fury X」と同様、Nanoは28ナノメートルの「Fiji GPU」をベースとし、64基の演算ユニット(ストリームプロセッサは合計4096基)、4Gバイトのスタック型DRAMを持つ。最大のメモリバス幅は毎秒512GB。違いは、Nanoはさらに小型化されて消費電力がわずか175ワットとなり、小型PCに搭載できる点だ。性能にどのような影響を与えるのかは、9月の出荷時が近づいたころにレビューを待つしかないが、AMDによると28ナノメートルの「Hawaii GPU」を土台としたハイエンドのフルサイズ機種「R9 290X」よりも30%高速だとAMDは主張している。
興味深いのは、小さなパッケージでは高度な処理技術の恩恵が受けられないのに、AMDがどのようにしてこのレベルの性能を実現したのかだ。GPUは過去5年ほど、28ナノメートルで停滞していた。AMDのフェローで製品担当最高技術責任者(CTO)のJoe Macri氏は、8年にわたるパートナーとの作業によりそれを可能にする「High Bandwidth Memory (HBM)」を開発したと「Hot Chips」カンファレンスで述べた。
AMDとNVIDIAのグラフィックカードのほとんどが、特別なグラフィックDRAM(GDDR)メモリを採用している。これはスペースをとる。一方、FuryとNanoは1GバイトのHBMスタックを4基(各スタックには、2GBのチップ4基と論理ダイが含まれる)持ち、合計4Gバイトを実現している。メモリは少なくなるが、帯域が増え、消費電力も削減する。HBMスタックはチップの横に配置できるため、スペースの削減にもつながる。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」