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自動で操縦者を追跡--ドローン「Phantom3 Standard」に見るDJIの戦略

細谷元(編集協力:岡徳之)2015年08月25日 08時00分
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 DJIは8月下旬からドローンの新モデル「Phantom 3 Standard」の販売を開始する。このモデルの最大の特徴は自動で操縦者を追跡する「フォローミーモード」などの新しいフライトモードが追加されたことだろう。Phantom3 Professionalを保有する筆者としては、この他に目を引く追加機能はないように思える。


Phantom 3 Standard (出典:DJIウェブサイトより)

 DJIが、新フライトモードが追加されたStandardを発表した背景には、前回の連載で紹介した「Phantomキラー」と呼ばれる競合ドローンの登場があるとみられる。

 Phantomキラーになると考えられているドローンの1つがHorizon Hobbyの「Chroma」だ。Chromaには、フォローミーモード、トラッキングモードなどこれまでのPhantom3にはなかった機能が備わっており、ドローン購入の選択肢の1つとして注目を浴びている。

 通常空撮では、撮影対象をフォローしたり、周りを一定スピード飛びながら撮影したりするには、相応の練習が必要になるが、こうしたフライトモードを使うことで、誰でも簡単に安定した映像を撮ることが可能になる。プロのように映像を撮影したいというニーズは高く、DJIに先駆けてHorizon Hobbyなどが便利なフライトモード付きのドローンを市場に投入した形になっていた。

 7月にシンガポールで開催されたドローンの展示会「UAV Show Asia 2015」で、DJIのスタッフに話を聞いたところ、同社もフライトモードへのニーズが高いことは把握しており、近々導入することになると説明していた。

Phantom3 Standardで可能になるフライトモード

 現在、主なフライトモードとして、フォローミーモード、トラッキングモード、コースロック(CL)、ポイント・オブ・インタレスト(POI)の4つがある。フォローミーモードとトラッキングモードについては、前回紹介しているので、参考にしていただきたい。今回は、コースロック(CL)とポイント・オブ・インタレスト(POI)を紹介し、なぜこうしたフライトモードへのニーズが高いのか説明したい。

 Phantom3 Standardには、CLとPOIでのフライトが可能になるようだが、Phantom3 Professionalに関しては現在のところCLのみだ。


Phantom3 Standardで可能になるフライトモード(出典:DJIウェブサイトより)

 CLとは簡単にいうと、ドローンの飛行方向を一定に保ちながら、機首を水平方向に回転させることができるモードだ。カメラの中心を常に撮影対象に向けながら、ドローンを前方に直線で飛ばすことができる。通常、前方に飛ばしながら機首を水平方向に回転させると、回転に合わせてドローンも飛行方向を変えることになる。CLをうまく使うことで、スピード感のある迫力ある映像を簡単に撮影できるようになるので、Phantom3を保有している人はぜひ試してほしい。

 Youtubeにハウツー動画がいくつかアップロードされているので、CLとはどのようなもので、どうすればできるのかを知りたい人はぜひ参考にしてもらいたい。以下、1分58秒からの映像がCLを使うことで可能になる撮影だ。


IOC COURSE LOCK | Complete Video Guide | DJI Phantom Series

 POIは、さらにおもしろい空撮方法といえるだろう。簡単にいうと、撮影対象に常にカメラを向け、その撮影対象を中心にぐるぐる周りながら撮影する方法。一定の速度と距離を維持しながら、撮影対象にカメラを向け、周りを飛行するというのは、簡単なようでかなり練習が必要になる。

 それがPOIを利用すれば、プロ並の空撮が簡単にできるようになる。DJIのスタッフがPOIで撮影したいという要望が多いと述べていたことに加え、ドローン関連のウェブフォーラムでもPOIに関する質問を見かけることから、関心の高さが伺える。

 空撮を簡単にするフライトモードが追加されたPhantom 3 Standardにより、フライトモードの充実で競合の突き放しにかかるDJIの戦略が明らかになった。今後もDJIと競合企業が競い合うことで、消費者向けドローンのクオリティはますます高まるに違いない。

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