ポイント制やレベルアップ制、さらには独自通貨など、ゲーム的な要素を導入することでモチベーションを向上させ、目的を達成に導く手法をゲーミフィケーションと呼ぶ。エンゲージメントを高める手法の一つとして数年前から注目を集めており、これら要素を取り入れた例として、ジョギングのゴールをクリアすることでバッジなどのアイテムがもらえるアプリ「Nike+」などがよく知られている。
ゲーミフィケーションの要素を取り入れたアプリは、その多くが「楽しんで達成する」という目的のもと、通常ではなかなかモチベーションが上がりにくい、学習系やタスク管理系など特定のジャンルでの採用例が多い。今回はこうしたアプリの例を、ジャンルごとに紹介する。
まずは学習系。あまり気乗りしない、なかなか習慣づけができない語学などの学習を、ゲーミフィケーションを取り入れることで楽しく取り組めるようにする目的で使われるケースが多い。ゲーミフィケーションの採用例がもっとも多いジャンルと言ってよいだろう。
Appleの年間ベストアプリにも選ばれたことがある語学学習アプリの「Duolingo(デュオリンゴ)」は、正解でポイントが貯まり、不正解でライフが減るといったゲーミフィケーション要素がレッスン内に取り入れられている。英単語の学習アプリ「えいぽんたん!」は、学習するともらえるおやつでキャラクターを育てながら、TOEIC350~990点レベルの英単語を無理なく学習できる。このほかリスニングを中心とした英会話アプリ「OKpanda英会話」も、レッスンの達成度をキャラが教えてくれるなど、ゲーミフィケーション要素を活用している。
「Duolingo」タスク管理系も、後回しにしがちなToDoを前向きに処理するため、そのモチベーション向上を目的にゲーミフィケーションの採用事例が多い。学習系に比べて繰り返し操作を行うことが多いためか、RPGのレベルアップ要素が取り入れられるパターンがよくみられる。
「レベルアップToDo!」はタスクに対してポイントを登録し、タスクをクリアすることでポイントが貯まるというゲーミフィケーション要素を備えたタスク管理アプリ。ポイントが一定数を超えるとレベルが上がるほか、バッチやアバターがもらえるなどの機能もある。「QUEST」もほぼ同様の仕組みだが、こちらは8ビット風のキャラクターを採用しており、登録したタスクをモンスターとみなして倒していくことで経験値が貯まり、レベルアップするというRPG要素が特徴。やはりポイント制を導入している「Flinq」は、友人にタスクを割り当てる機能を備えるなど、共有機能が目玉となっている。
「レベルアップToDo!」このほかの例としては、ゲーム要素を活用することで、スマホ中毒の防止に役立つアプリ「Forest」が面白い。植えた種が木に育つまでの30分間にほかのアプリを操作すると枯れてしまう仕組みを採用しており、気づいたらスマホを手に取って触っているといった中毒症状の緩和に役立つ。iOS版のほか、Android版、さらにはWindows Phone版も用意されている。
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