Target 2020

パナソニックが“おもてなし”の心で考える2020年の街と暮らし - (page 2)

2020年を“街単位”で見せられるのはパナソニックだからこそ

  • 多言語翻訳はタイ語、インドネシア語、中国語などアジア圏の言語も豊富にそろえる予定。マイクに向かって話すと相手側のディスプレイに言語変換されて表示される仕組み

--他社も2020年に向けて取り組んでいると思いますが、パナソニックならではの強みは。

 数多くの商材を持っているパナソニックの良さは、1つの商材だけでなく、トータルで見せられることだと思っています。入国から出国までという見方をした場合に街をどう変えていくのか、そのコンセプトを見せられることが一番のメリットだと思います。当然、1社だけでは実現できませんが、商材を組み合わせたり、足りないところは他社の力を借りたりしながら、幅広く、面でご提案することができます。音声自動翻訳機やデジタルサイネージなど、パーツごとに2020年の世界を表現したものはあるけれど、それらをまとめて入国から出国までという形で見せられる会社ははあまりないと思っていますし、そこが強みだと感じています。

--それだけ多くの事業部が関わっているということですね。

 今までは事業部ごとに動いていましたが、オリンピック・パラリンピック推進本部という束ねる組織ができたことによって、事業部間の連携も加速しました。東京オリンピック・パラリンピックは、日本が変わる契機になると思います。そうした大命題のもと、「日本を変えていく」「パナソニックのおもてなしを作る」という強いメッセージを打ち出していくことが大事だと思っています。

--事業部間の協力とともに、こちらのショールームでは他社との協業も強く感じます。

  • 日差しを遮り、風を通すフラクタル理論を応用した「エアリーシェード」。幹の部分からミストが噴出され、暑さを和らげる

 音声自動翻訳機ではJTB、暑さ対策では積水化学工業、小松精練をはじめ、数多くの企業とお付き合いさせていただいています。実際こうしたインフラ部分を作ろうとするとパナソニックだけではできないんですね。新しい領域に踏み出したことによって、他社との協業が加速していると思います。

 自分たちの領域だけでビジネスをしているのであれば、パナソニック内で解決できていたのですが、領域を拡張することで、他社とのお付き合いの幅が広がってきました。だからこそ2020年という未来を見据えた、新しい事業にも取り組めています。

 実際、一緒に作り上げることで、今までは聞くことができなかった意見を聞くことができるようになりました。中には「そこにビジネスチャンスがあったのか」という気づきもあります。開発途上の商材を展示して、お客様と話をしながら、一緒にビジネスを創出するという今までにないやり方に挑戦しているのが東京オリンピック・パラリンピック推進本部だと思います。

  • 監視カメラと画像認識技術を用いたセキュリティ。顔認識することで、不審者などをより確実に排除できる

--このショールームが2020年にどんな影響を与えると思いますか。

 私たちが目指しているのは、本当にストレスのない社会です。それは外国人旅行者に限らず、日本で暮らす人すべてに、ストレスフリーの安心、安全な社会を届けたい。2020年には「以前は不自由だったことがこんなに快適になった」と実感できる世の中になっていると思いますし、そう変えていきたいと思っています。

 1964年に開催された東京オリンピックは、高度成長期の中で、新幹線や首都高速道路など、便利なものがたくさん増えていきました。しかし2020年の東京オリンピック・パラリンピックは、残念ながらそういう時代ではなく、少子高齢化や温暖化、セキュリティなどの課題を解決していかなければなりません。その課題解決に貢献したいです。

 2020年を1つの目的地と設定していますが、大事なのはその後です。2020年以降に失速してしまわないように、その先の日本を作っていきたいと思います。これから5年はその準備期間なのだと思っています。

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