スカパーJSATは、2016年3月期の第1四半期(4~6月)の決算を発表した。標準画質サービス終了による影響を受け、売上高は前年同期比2.6%減の411億円、営業利益は同16.5%減の58億円の減収減益となった。
標準画質サービス業務手数料収入と送信料収入の減少5億円と、HDサービス視聴料収入の減収4億円を主な減収要因としている。また例年、スポーツシーズン前の第4四半期に集中していたプロモーションを、今期は通年を通して実施するよう方針展開をしており、前年よりも第1四半期から、ユーザー獲得のプロモーション費用が増加しているという。
ただし新規加入件数は12万件(前年同期は10万5000件)、純増数は2万3000件(同24万8000件の減少)となっており、加入者1人あたりの売上を示すARPUも2232円と前年から60円ほどアップした。
スカパーJSATの代表取締役社長である高田真治氏は「加入は好調。今期は視聴相談を重要な指標として取り組んだほか、スカパー!ならではの生中継にこだわったコンテンツの制作、加入料0円キャンペーンなどを実施し、加入者の最大化に努めた」と施策を話した。
通年6月以降に解約が増えることを受け、2015年は6月12日から7月5日まで開催されたサッカー南米選手権「コパアメリカ チリ」の全試合生中継を放送し、解約を防止。スポーツのほか、大型音楽ライブなど生中継コンテンツを増やすことで新規加入を促した。この時期に「加入料0円」や「視聴料割引」などのキャンペーンを合わせて実施したという。
また、3月に開始した「スカパー!4K総合」「スカパー!4K映画」でもMr.Childrenやポール・マッカートニーといったビッグアーティストのライブを4Kで放送。6月からはハリウッド映画作品の4K放送開始も控える。
こうした施策により、第1四半期の新規・再加入件数は、前年同期の13万1272人から15万1890件へと増加。「セレクト5」などの手頃な商品を用意したほか、高額商品となる「プロ野球セット」「サッカーセット関連」などの伸びにより、視聴料収入もアップしたという。
高田氏は「テレビ放送の最大の武器となる生中継コンテンツを充実する。4KコンテンツはBSスカパー!オリジナルの連続ドラマ『アカギ』の4K版、ハリウッド映画など充実したラインアップをそろえる」と今後のコンテンツ提供についても意欲を示した。
2015年秋に日本でサービスが開始される映像配信サービス「Netflix」については「Netflixはオリジナルドラマで大成功を収めており、日本でもオリジナルドラマの制作に意欲的。日本のドラマはワンクールが11~12話で、海外から見るとガラパゴス的ともいわれる。こうした日本の放送にこだわらないコンテンツ作りを通じて、世界に通用するコンテンツ制作力が身につけばいいと思う。スカパー!としては、生中継や一度に多くの人数に見せることができるという放送の強みをいかし、対抗していきたい」(高田氏)とコメントした。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス