その可能性を考えただけで、パニックを起こしそうだ。2人のセキュリティ研究者が、インターネットを介して「Uconnect」搭載車を遠隔攻撃することに成功した。WiredのAndy Greenberg氏がこの車を運転していた。
こうした攻撃が可能になったのは、Fiat Chryslerの一部モデルに搭載されているソフトウェアベースのコネクテッドカー向けシステムUconnectに脆弱性があるからだ。Uconnectは、Sprintの通信網を利用して、スマートフォンで自分の車と無線通信することができる。このシステムは、オーナーが車から離れた場所からエンジンを始動したり、GPSで自分の車を追跡したりすることができるほか、盗難防止機能も複数搭載している。
研究者のCharlie Miller氏とChris Valasek氏は、この脆弱性を利用し、IPアドレスを通じて車を遠隔操作して、ブレーキの作動と解除を行ったり、ワイパーとウォッシャー液のスイッチを入れて運転者の視界を遮ったり、エンジンを止めたりしてみせた。
また、バック走行中に限られたとはいえ、ある車ではハンドル操作にまで干渉することができた。
この記事を掲載したWiredによると、脆弱性に影響される可能性があるのは、「Dodge Ram」「Jeep」の2013~2014年モデルなどであるという。
米国では、合計で47万1000台もの車がこの脆弱性の影響を受けると言われている。
Fiat Chryslerは米国時間7月16日、パッチを公開した。Miller氏とValasek氏はその約1カ月弱後の8月初旬に開催されるBlack Hatセキュリティカンファレンスでこの件について講演する予定だ。ただ、このパッチの問題点は、無線で適用することができず、車のオーナーが手作業でインストールしなければならないことだ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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