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セルフィーで死亡事故も--自分が楽しむことより他人に認められたい高校生の心理 - (page 2)

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他人ではなく自分が認めることが大切

 ある英国の10代の少年は、重篤なセルフィー中毒だった。15歳から始め、SNSで公開したところ、周囲から容姿をけなされてしまう。その結果、満足できる写真を撮ろうと、1日200枚ものセルフィーを撮るようになってしまった。

 学校を休みがちになった彼は、とうとう高校を中退。その後自殺未遂までしたが、現在は精神科医に通って治療し、セルフィー中毒から抜け出せている。SNSに依存するあまりに実生活にマイナスの影響が出てしまっているあたりが、前回ご紹介したネット依存の症状そのものだ。

 アプリを使えば、どんな写真も好きなように撮ることができる。それを見て他人がうらやむことを知っているからこそ、彼らは写真を撮り続ける。写真をSNSに公開し、他人から称賛されることに価値を置きすぎているのだ。10代はまだ何者でもないからこそ、承認欲求が強い。承認欲求自体は悪いものではないが、過剰になりすぎると承認欲求に振り回されるようになってしまう。

 いうまでもなく、これでは本末転倒だ。自分が楽しめたかではなく、他人の目、他人と比較できる「いいね!」やリツイート数だけが価値判断基準となってしまっている。その時は多くの「いいね!」やリツイートをもらっても、他人は気まぐれであり、新しい投稿に目移りしていく。いくらSNSの中で「いいね!」やリツイートをもらっても、自分の人生には何ももたらさないのだ。

 もし周囲に過剰にセルフィーにはまっている10代がいたら、スマホを置いた時間を過ごさせてみよう。他人からどう見えようと、自分が本当に満足できる時間を過ごすことこそが大切だという基本に気付かせてあげてほしい。

高橋暁子

ITジャーナリスト。書籍、雑誌、Webメディア等の記事の執筆、企業等のコンサルタント、講演、セミナー等を手がける。SNS等のウェブサービスや、情報リテラシー教育について詳しい。
元小学校教員。
『スマホ×ソーシャルで儲かる会社に変わる本』『Facebook×Twitterで儲かる会社に変わる本』(共に日本実業出版社)他著書多数。
近著は『ソーシャルメディア中毒 つながりに溺れる人たち』(幻冬舎)。

ブログ:http://akiakatsuki.hatenablog.com/

Twitter:@akiakatsuki

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