朝日放送、12億円のファンド組成しベンチャー支援--関西の放送局で初

 大阪に拠点を置く朝日放送(ABC)は、関西の放送局では初となるコーポレートベンチャーキャピタル(CVC)「ABCドリームベンチャーズ」を7月10日に設立する。同社はこのCVCに出資し、総額12億円のファンドを組成する予定だ。


 開局から60年以上、売上げの中心は広告収入だった朝日放送。これは放送業界全体に言えることだが、若者のテレビ離れや趣味の多様化などの影響もあり、今後は広告収入において高い成長率が見込みにくいという課題に直面している。その中で同社は放送以外の新規事業を伸ばすべく、成長産業との協業について検討していたという。

 また、2013年に新規事業の創出拠点である「大阪イノベーションハブ」が開設されたり、2015年5月末に48億円規模のベンチャーキャピタル「ハックベンチャーズ」が組成されたりと、ここ数年で関西におけるベンチャー育成のエコシステムが構築されつつあることから、関西の放送局として初となるCVCを設立するにいたったと朝日放送 ビジネス戦略局 ビジネス戦略部の上田氏は説明する。

 「トーマツベンチャーサポートが主催している『Morning Meet Up(モーニングミートアップ)』が月に2回開催されるなど、東京ほどではないがイベントも少しずつ増えてきた。これまで関西のベンチャー企業は、ヒト・モノ・カネのために東京に進出していたが、関西でも出資をしたり、メンタリングができるプレイヤーも出てきているのかなと思う」(上田氏)。

 関西には製薬メーカーが多くライフサイエンスの領域での成長が期待できるとしている。また、東大阪に代表されるモノづくりの知見やノウハウを生かしたIoT(Internet of Things:モノのインターネット)関連の企業が生まれる可能性もある。さらに、大阪や京都、奈良など観光地ならではのエンターテインメントに特化した企業にも注目していきたいという。

 ファンドの運用期間は10年間。最初の5年間を投資期間と考えており、アーリーステージからレイターステージの約30社前後に投資したいとしている。放送事業とシナジーのあるIT、コンテンツ、エンターテインメント領域の事業者との協業が望ましいが、当面は投資領域を限定せず幅広く検討していきたいという。

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