USENとレコチョクは6月15日、店舗用BGMサービス「OTORAKU-音・楽-」(OTORAKU)を協業により開始すると発表した。iPadを使った定額制音楽配信として提供する。
月額税別使用料は3780円(月額税別2980円~提供できる「OTORAKU 3年割」などの長期使用割引も用意)。初期費用として事務手数料3000円が必要になるほか、ユーザーの環境に応じて音響機器設置工事費などのサポート費用が発生する。7月1日に東京、大阪でサービスを開始し、その後は全国へ向け段階的に拡大していく。
USENが新サービスの構築、アプリ開発、店舗への営業活動、店舗導入におけるサポートを担当し、レコチョクは楽曲提供やマーケティングデータ収集を担う。USEN取締役会長の宇野康秀氏は「USENは長い間、セットトップボックス(STB)を用いた有線放送という概念で店舗向けに音楽を提供してきた。しかしOTORAKUは配信型という新しい音楽配信ビジネスで、著作権の内容もSTBとは異なる。その部分をレコチョクと協業することで、クリアにすることができた。USEN単独では成し得なかったサービスの実現」と協業におけるメリットを話した。
サービスは専用アプリで提供され、iPadのみに展開する。App Storeからアプリをダウンロードし、契約手続きを踏むことで使用することが可能だ。楽曲数はUSENサービスと同等の300万曲強を用意。サービス開始当初は、「HEALING」「WORLD」「イージーリスニング」などのカテゴリ、「美容」「アパレル」「雑貨」などの業種から選べる約300のプレイリストをそろえ、プレイリストを選ぶだけでテーマにあった音楽が流れる。
新たに「店舗オリジナルプレイリスト」を設け、独自のプレイリストを作成することも可能。1曲ずつ選択できるほか、既存のプレイリストに曲を追加したり、削除したりして、オリジナルプレイリストを作れる。また、好きな曲を即時に頭出し再生できる「カットイン機能」も装備。通常のプレイリスト再生中でも、バースデーソングに切り替えられるなど、便利に使うことができる。
USENでは、BGM利用業種店舗は現在305万件あると考えており、うち74万件はUSEN、10万件がそのほかのBGMサービスを利用しているとのこと。OTORAKUは、それ以外の約220万件をターゲットに据える。その中には先日、一般社団法人日本音楽著作権協会(JASRAC)が無断BGM使用として法的措置を取ったことでも話題になった違法使用店、不適切利用店も含まれる。
OTORAKUでは、著作権処理が入った状態の楽曲を数多くラインアップするほか、アプリを使った簡単な配信環境を整えることで、BGMの適正な利用を促す。
また、従来のSTBを用いたUSENサービスは、安定性に優れているため、今回の配信型サービスとはすみ分けしながら提案していく方針だ。
レコチョク代表取締役社長の加藤裕一氏は「店舗向け音楽配信サービスで圧倒的に強いマーケットリーダーであるUSENと一緒にサービスを作れたことに喜びを感じている。OTORAKUは、USENとレコチョクの足し算ではなく、掛け算になることで、今の時代だからこそできる新しい店舗向けサービスを提供できると確信している」とサービス開始にあたっての期待を話した。
当初はiPad向けのみのサービスになるが、ユーザーからの要望や市場動向を見ながら、対応OSや端末の拡大も検討していくとのこと。初年度で3万件を目標にしている。
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