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銀行で芸能人の個人情報が漏洩--なぜ若者はTwitter炎上を起こすのか - (page 2)

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本名を検索すると炎上事件がヒット

 炎上が一般化したため、ウェブメディアなどでニュースになることは減った。その代わりに、2ちゃんねるまとめサイト、NAVERまとめなどがその役割を果たしている。その結果、あまり著名ではない炎上事件でも、炎上を起こした人の本名で検索すると、炎上事件や当人の個人情報、顔写真などが一番上に表示される状態だ。

 2ちゃんねるのスレッドで、「変なニックネームを付けるな。本名を検索したらこのスレッドがヒットするようにするんだ。みんな、(炎上対象者の)本名を書け」という書き込みを見たことがある。そのスレッドでは、故意に何度も炎上対象者の本名が書かれていた。それゆえ、炎上対象者の本名で検索すると、そのスレッドが1番上に表示される状態となっていた。

 その結果、あまり一般のユーザーは知らないであろう炎上事件でも、炎上対象者の本名で検索すると、検索結果の1ページ目は炎上事件の記事で埋められる状態となっている。

炎上で就活、結婚に影響も

 炎上するとどんな弊害があるのだろうか。炎上後、炎上対象者はさまざまな道をたどっている。高校生や大学生なら停学・退学。就活生なら内定取り消し。社会人ならクビ。そのほか、数千万円の賠償請求をされたり、逮捕(書類送検)された例もある。

 もちろん上記のようなことが起きるのは恐ろしい。しかし、炎上の影響はその場限りではない点がさらに恐ろしいところだ。私はかつて「Facebookで就活に成功する本」という本を書いたことがあり、企業の人事採用担当者と話す機会がある。最近は、新卒採用候補者をインターネットやSNSで検索するのは当たり前のこととなっている。

 今回の、りそな銀行個人情報漏洩事件のように、アルバイトや契約社員を含む従業員が問題を起こすと、企業に大きなマイナスイメージがつく。消費者にプラスのイメージを持ってもらうためにCMを打ったり、SNSを運用したりして営業努力してきたことが、一瞬にして台無しになってしまうのだ。問題のある従業員を雇うことで、企業は不利益を被る可能性が高くなるため、検索結果を合否の参考にするようになってきている。

 JOBRASS就活ニュース2016調べによると、人事採用担当者の37.7%が候補者をSNS(Facebook、Twitterなど)で検索すると回答。19.8%が「投稿内容を重視する」と答えている。本名を検索したら炎上事件が表示される状態となってしまった場合、就活に大きな影響が出ることは間違いない。ある人事採用担当者は、「検索結果だけで採用不採用を決定することはないが、考慮に入れる」と名言している。それだけでなく、その評判は結婚の際などにも、一生ついて回る可能性が高い。つまり、1回の不用意なツイートで人生を棒に振ってしまう可能性さえあるのだ。

炎上しないためにできること

 では、炎上しないためにはどうしたらいいのだろうか。企業側の対策としては、全従業員を対象に、炎上のリスクやSNSの使い方について研修をすべきだろう。そのために、全従業員に対してSNSの使い方や禁止事項などを規定する「ソーシャルメディアポリシー」を用意しておくと安心だ。


コカ・コーラ社のソーシャルメディアガイドライン

 ユーザー側の対策としては、公開範囲を意識すること。LINE以外のSNSはインターネット上に広く公開でき、検索対象となるものがほとんどだ。不安な場合は、公開範囲を友達限定にしよう。Twitterも鍵をかければ検索対象ではなくなる。もちろん悪意の人が紛れ込むことがないよう、友だちとなる相手は直接の知り合いに限定することが大切だ。

 投稿範囲を限定していても、他人が不快に思うことは決して書かないこと。投稿前に必ず見直し、その投稿や写真が出回っても自分に不利益を与えることがないかどうか考える習慣をつけよう。

 万が一炎上した場合は、できるだけ早く謝罪して、元の投稿を削除するよう努めよう。ただし、あまりに広まってしまった場合は削除しきれない可能性が高い。データを個人が保存してしまった場合、削除しても再度アップロードされてしまうからだ。SNSを始めたばかりの子どもたちにも、そのリスクは必ず伝えておくべきだろう。

高橋暁子

ITジャーナリスト。書籍、雑誌、Webメディア等の記事の執筆、企業等のコンサルタント、講演、セミナー等を手がける。SNS等のウェブサービスや、情報リテラシー教育について詳しい。
元小学校教員。
『スマホ×ソーシャルで儲かる会社に変わる本』『Facebook×Twitterで儲かる会社に変わる本』(共に日本実業出版社)他著書多数。
近著は『ソーシャルメディア中毒 つながりに溺れる人たち』(幻冬舎)。

ブログ:http://akiakatsuki.hatenablog.com/

Twitter:@akiakatsuki

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