「ダウンディテクター」は、ユーザーの口コミ情報をベースに、さまざまなオンラインサービスの障害発生の情報を知ることができるサービスだ。利用中のサービスへの接続がうまくいかない時に原因の切り分けに役立てたり、これから利用したいサービスがどの程度安定して稼働しているのかを知ることができる。
トップページにアクセスすると、プロバイダやキャリア、SNS、動画配信やゲーム、ブログサービスといった多種多様なオンラインサービスの一覧と、その稼働状況とされるグラフが表示されている。それぞれをクリックすると、そのサービスで過去24時間に発生した障害や、発生場所をマッピングした日本地図、さらにTwitterにおけるユーザーからの報告などが表示される。追跡対象は国内外の70企業/サービスにも及んでおり、直近で障害が発生したサービスほど、上位に表示される仕組みになっている。
稼働状況は各サービス事業者から公式に提供されたものではなく、TwitterなどSNSサイトにおけるユーザーの口コミ情報がベースになっている。つまり「あのサービスが落ちている」「アクセスできず困っている」といった書き込みの増減をグラフ化し、障害発生率としてユーザーに提供するという仕組みだ。母数が少なければ悪戯などの可能性もあるが、不特定多数のユーザーが基準値を上回る書き込みを同時多発的に行っていれば、高い確率で障害が発生していると見なすというアルゴリズムだ。
もっとも“元ネタ”であるTwitterの書き込みを参照すると、「Aというサービスに障害が発生した際はBというサービスをいつも利用している」というツイートをBの障害としてカウントしていたり、また過去の障害についてのブログ記事に言及したツイートを現在の障害としてカウントしていたりするので、グラフだけを見て判断するのは適切ではない。何らかの補正は入っているものと考えられるが、グラフはあくまで参考情報ということで、必ずその先にある生のツイートを確認して、判断したほうがよいだろう。
またその仕組み上、ユーザー数が多く、かつ絶えず利用状態にあるインフラ系のサービス、すなわちプロバイダやキャリア、SNSといったサービスほど、障害発生の報告は多くなりがちで、別のセグメントと障害発生頻度を比較するのはあまり意味がない。逆に同一セグメントでユーザー数などの規模が等しいサービス間での比較は、客観的な指標として一定の信頼性があると考えられる。例えばプロバイダを乗り換えようとしている場合に、本サービスを使って候補となるプロバイダの障害の発生状況をモニタするのは、有益な使い方だろう。その仕組み上、ノイズが少なからず含まれることを認識した上で、活用したいサービスだ。
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