サンフランシスコ発--サムスンは米国時間5月12日、モノのインターネット(IoT)向けの新しいチップシリーズを発表した。サムスンはこれにより、すべてをネットに接続することを追求しているIntelやQualcommと、以前にも増して直接競合することになる。
サムスン電子のプレジデント兼最高戦略責任者(CSO)で、カリフォルニア州メンロパークにあるSamsung Strategy and Innovation Centerを担当するYoung Sohn氏は、「ARTIK」プロセッサファミリはハードウェアとソフトウェアを組み合わせて、企業がインターネットにつながるデバイスを短期間で容易に開発できるようにすると述べた。また、サムスンが2014年に買収したスマートホームの新興企業SmartThingsの最高経営責任者(CEO)であるAlex Hawkinson氏も、デバイスメーカーなどの企業が同社製品向けのアプリをより容易かつ短期間で開発できるようにする「SmartThings Open Cloud」を発表した。
新チップは「ARTIK 1」「ARTIK 5」「ARTIK 10」の3種で構成され、この順に処理速度と機能が向上する。Sohn氏によると、ARTIKチップの価格帯は10ドル未満~100ドル未満で、シンプルなIoT製品から、ドローン、スマートホームのハブまでが対象になるという。ARTIKチップとSmartThings Open Cloudは、どちらも発表当日から入手可能となり、IoT向けの新デバイスに利用できる。
Sohn氏はサンフランシスコのMoscone Centerで開催されたInternet of Things Worldの基調講演で、「重要なのは、これが私たちの生活向上につながるスマートなマシンだということだ」と述べた。
米CNETは5月6日、サムスンが新プロセッサを披露する計画だと報じていた。
サムスンの新プロセッサシリーズは、Intelによる同様の動きの後を追うものだ。Intelは2015年1月、ウェアラブル向けプロセッサプラットフォーム「Curie」を発表した。ボタンサイズのCurieは、プロセッサ、Bluetooth Low Energy(BLE)無線通信、センサを備え、異なるスポーツ活動を識別する専用エンジンも搭載する。Curieはまた、コイン大のバッテリで長時間にわたり動作し、再充電にも対応する。ここまで小さいチップであれば、指輪から、ペンダント、衣服まで、多様なデザインのウェアラブルに搭載することができそうだ。
ARTIKとSmartThings Smart Cloudの発表に加え、サムスンは、カリフォルニア州の干ばつ問題を解決する最も優れたアイデアを考案した人に10万ドルの賞金を出すことも発表した。サムスンは次の開発者カンファレンスで賞を授与する予定だ。このイベントは過去2年間、秋に開催されている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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