ニューヨーク発--AppleとIBMが高齢者支援事業に参入する。両社は米国時間4月30日、今後5年間にわたって500万台の「iPad」を日本の高齢者に提供する計画を明かした。それらのiPadには、高齢者が保健医療などのニーズを管理するのを支援する特別なソフトウェアが搭載される。
Appleの最高経営責任者(CEO)であるTim Cook氏は当地開催のイベントで、「われわれは何百万もの人々の生活を劇的に向上させるつもりだ。遅かれ早かれ、地球上のほぼすべての国がこの問題に直面するだろう」と述べた。
Cook氏は、IBMのCEOを務めるGinni Rometty氏、日本郵政の取締役兼代表執行役社長を務める西室泰三氏とともに発表を行った。両氏はこのイニシアチブのパートナーだ。
今回の動きは、より多くのiPadをビジネスや保健医療を含むさまざまな分野に普及させるIBMとAppleの共同事業を拡大させるものだ。Appleの「iPhone」と「Mac」の売れ行きは好調だが、「iPad」の出荷台数は減少している。
郵便、銀行、および保険サービスを手がける日本郵政グループは、同社の「みまもりサービス」の一環としてiPadを配布する。同サービスは月額料金と引き替えに、高齢の顧客の自宅に職員を派遣し、彼らの生活の様子を確認する。日本郵政グループは2015年後半にこのiPadイニシアチブを試験的に開始する予定で、2020年までに400万〜500万人の顧客にリーチすることを目指す。
iPadには、IBMが高齢者向けに設計したカスタムアプリがプリインストールされる。例えば、投薬や運動、食事に関するリマインダーやアラートを提供し、コミュニティー活動、食料雑貨の買い物、ジョブマッチングへのアクセスを支援するソフトウェアもその1つだ。
これらの企業が日本でプログラムを開始するのは、日本では高齢者の人口が多いからだ。現在、日本の3300万人の高齢者は人口の約25%を占めており、その割合は次の40年で40%まで拡大する見通しだ。
しかし、Rometty氏と西室氏を含む幹部陣は、これは世界中のさまざまな国が直面する問題だ、と指摘した。この試験プログラムを米国に拡大する場合は、おそらくIBMとAppleが取りまとめる地方企業の集合体によって管理を行う必要があるだろう、とCook氏は述べた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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