スマートフォンネイティブが見ている世界

LINE交換掲示板で友だち募集--ID交換禁止の抜け穴とは - (page 2)

TwitterでLINE IDを交換する例も


QRコードは更新できる。更新すると以前のものは無効になる

 高校2年生女子A美は、Twitterを使って好きなお笑い番組に関する感想をやり取りしている。ある時フォロワーたちと話が盛り上がり、「続きはLINEグループでやろう」ということになり、LINE IDを送り合ってグループを作った。それ以来、番組が放送される度にグループでその話題で盛り上がっているという。フォロワーたちはすべて面識がなく、中には成人男子もいる。

 A美が利用しているのは親名義のスマートフォンだ。親名義のため、ID検索機能も利用可能だ。「友だちは定期的にTwitterでLINE IDを公開している。『まったく知らない人からトークがくることもあるけど無視してる』と言ってた。それに比べたら、Twitterでやりとりしたことがある人たちと友だちになるのは危なくないと思う」とA美は言う。

 高校1年女子B世は、自分名義の端末なのでID検索機能は利用できないが、代わりにQRコードを活用している。目的はバンド仲間の募集だ。某掲示板でバンド仲間を募り、応募してきた相手と掲示板のメッセージ機能でやり取りをする。実際に会う前にはQRコードをメッセージで交換してLINEで友だちになり、連絡を取り合ったという。「QRコードを悪用されると嫌なので、交換したら念のためQRコードを更新しているから平気」と答えていた。

LINE IDは個人情報、公開はしないこと

 世界が狭い中高生は、異性に興味がある、付き合いを広げたい、趣味が合う友達が周囲にいないなどの理由で、積極的にネットで友だちを作ろうとする。ネットで知り合いを作ること自体は悪いことではないが、当然その行為にはリスクが伴う。

 中高生に話を聞くと、LINE上で友だちになることに抵抗がなく、見知らぬ相手とでも気軽にID交換している実態に驚かされる。異性間の出会いや援助交際目的でLINE ID交換掲示板を利用する層もいるが、単純に友だちを増やすなどの目的で交換しているケースも多いのだ。

 前述のA美に、「LINE IDは個人情報だから気をつけて。友だちになったら通話もできてしまうから、見知らぬ人と交換するのは危険」と言ったところ、「そんなことは考えたこともなかった」と驚かれてしまった。彼女たちのID交換や公開に関する危機意識は非常に低いと考えた方がいいだろう。Twitterなどの不特定多数が見る場で、IDを気軽に公開してしまう中高生が多いことも事実だ。

 保護者は、手間でも必ず端末は子ども名義にするなどの対策を取るべきだ。そして中高生には、見知らぬ人とLINE IDを交換したり、不特定多数が見る場で公開したりすることのリスクを教えるべきだろう。

高橋暁子

ITジャーナリスト。書籍、雑誌、Webメディア等の記事の執筆、企業等のコンサルタント、講演、セミナー等を手がける。SNS等のウェブサービスや、情報リテラシー教育について詳しい。
元小学校教員。
『スマホ×ソーシャルで儲かる会社に変わる本』『Facebook×Twitterで儲かる会社に変わる本』(共に日本実業出版社)他著書多数。
近著は『ソーシャルメディア中毒 つながりに溺れる人たち』(幻冬舎)。

ブログ:http://akiakatsuki.hatenablog.com/

Twitter:@akiakatsuki

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