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B Dash Camp 2015 Spring

「人生で2度とやりたくないこと1位『起業』」--グリー田中代表、創業10年を振り返る - (page 2)

井指啓吾 (編集部)2015年04月13日 12時00分
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 何が起きているのか、何を問われているのかを咀嚼(そしゃく)するのに時間がかかった。

 僕らは良いサービスを作って、ユーザーに楽しんでもらいたいという純粋な気持ちでやっている。業界の人から「そんな釣りのゲームなんか作ってもしょうがない」と言われていた時代から、「このゲームを作ればみんなが喜んでくれるに違いない」と思って取り組み続けた結果、突然、社会問題になってしまった。自分たちがやっていたのは何がいけなかったのか、何が問題なのかを自らに問いかけていた。

 いま思うと、わかっていなかったというか、「未熟」の一言に尽きる。釣りのゲームは累計約1500万人が遊んでくれた。それまで数千万人が使うサービスをゼロから作って運営したことがなかったので、その規模のサービスを手掛けることで社会から求められる責任やその重要性、説明の仕方を知らなかった。

 世の中を変えていくようなサービスを作りたいと考えているのに、それができないのであれば、世の中を変える資格がない。未熟な人間だったと思う。


B Dash Ventures代表取締役社長の渡辺洋行氏

――その問題は新興市場全体に関わるものだと思う。上場して企業の認知度が上がると、社会的責任も増していく。社長の考えや行動を変えなければならない。

 自分は経験しているので、それを業界内にフィードバックしていきたい。ほとんどの人は悪意を持ってやっているわけではなくて、どうしたらよいのかわからない。ただ、大きな会社や上場企業が「わからない」では済まされない。それ自体が責任を問われるべきこと。

 この問題の重要性を誰かが伝える必要がある。僕もベンチャーの集まりなどに参加した時には、自分が思う「本当に大きなビジネスをするに大切なこと、守らなければならないこと」を伝えている。

――グリーをそろそろやめて、また起業すれば新しいことを勝手にできる。その方がよいのでは。

 僕が人生で2度とやりたくないことランキング1位が「起業」(笑)。こんなつらいことは2度としたくないと思っている。

 スティーブ・ジョブズをすごいと思っていて、憧れている人も多い。それは僕もそう。ただ、ジョブズのようになりたいのであれば、それはジョブズよりも優秀でなければ、最低30年間は死ぬほどやり続けなければならない。もし10年でその目標を達成しようとしているのなら、ジョブズの3倍のスピードでやらなければならない。

 10年前にオフィスも何もない、社員は友人しか集まらないような会社から始めて、今の状況は変わった。時間をかけて作った組織でしかできない本当に大きなビジネスを、これからやりたい。


セッション「グリー10年の軌跡とこれから」の様子

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