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チケット売買「Ticketbis」はなぜ4年で71億円の売上を達成できたのか

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 個人間でチケットを売買するCtoC市場が国内外でにわかに盛り上がりを見せている。最近ではミクシィが「チケットキャンプ」を約115億円で買収するなど、国内の市場シェア獲得に向けて動きが活発になっている。海外企業では、2010年に創業したスペインのスタートアップ企業Ticketbisが2014年8月に日本法人を設立して参入。創業から4年余りにも関わらず、欧州と中南米では高いマーケットシェアを獲得し、世界40カ国以上でサービスを展開している。2014年の売上は、日本円で71億円に達したという。

 Ticketbisはなぜこの短時間にこれだけ多くの国に展開し、大きな売上をあげることができたのか。同社のこれまでのグローバル戦略と日本での事業展開、そしてスタートアップ企業として市場の開拓に挑戦していく姿勢について、スペインのTicketbis マーケティング&プロダクト担当副社長であるJorge Diaz Largo氏、グローバルコミュニケーションディレクターのCarmen Navarro氏、日本・韓国担当マネージャーのJavier Corbacho氏に聞いた。


左から、Ticketbis マーケティング&プロダクト担当副社長のJorge Diaz Largo氏、グローバルコミュニケーションディレクターのCarmen Navarro氏、日本・韓国担当マネージャーのJavier Corbacho氏

日本市場では、欧米とは異なる“一歩先の戦略”が求められる

――まず、Ticketbisの特徴について教えてください。

Javier Corbacho氏 : Ticketbisは2010年にサービスを開始したチケット販売のCtoCマーケットプレイスで、APEC市場に進出すべく2014年に日本法人(チケットエクスペリエンス)を設立しました。私たちの強みは、第1にグローバルでチケットの売買ができる点です。日本のユーザーが海外で開催される公演のチケットを購入したり、海外のユーザーが日本で行われる公演のチケットを購入したりすることができ、国によって異なるチケット購入の方法を気にせずにチケットの売買が可能になります。

 そして第2の強みは、取引のサポートと保証が充実している点です。購入時の決済や偽造チケットの流通防止、席番の正確性、配送の安全性など、ユーザーが安心して取引できるための担保を徹底しています。Ticketbisは単なるチケットの取引サービスとしてだけでなく、人を繋げるプラットフォームにしたいと考え、グローバル展開は創業当初から年頭に置き、オペレーション面でさまざまな工夫をしてきました。


日本・韓国担当マネージャーのJavier Corbacho氏

――プロダクト開発やマーケティング戦略ではどのような工夫をしてきたのでしょうか。また、日本市場ではどのような戦略で事業を拡大していくのでしょうか。

Jorge Diaz Largo氏: : 創業初期から気を付けてきたのはスケーラビリティ、つまり各国・地域への順応です。キーワードマーケティングを例に取ると、どの国で検索してもサービスに辿り着けるように徹底的に対策してきました。日本市場については、市場の競争が激しく、消費者の情報リテラシーも高い。米国とも英国とも異なる一歩先の戦略を考えないといけないと感じています。たとえば、Ticketbisは現在グローバルで同じサービスを提供していますが、日本ではそれで通用しない面もあります。

 日本のユーザーは、自分自身でサービスの安全性を調べて不明な点をクリアにしてから行動する傾向があり、日本専用のユーザーサポート窓口やチャットによるサポートなど日本の消費者ニーズに合わせた独自機能を盛り込むようになりました。日本市場向けに作った機能をグローバルのサービスにフィードバックするような動きもあります。


「Ticketbis」の日本向けウェブサイト

――「一歩先の戦略」とは、どういうことでしょう。

Jorge Diaz Largo氏: : それを説明する前に、Ticketbisのマーケティングに対する考え方を説明しないといけません。私たちは、グローバルにおける成長の軸としてマーケティングを3つの観点で考えています。ひとつは、マーケティング戦略全体を考えるストラテジック・レベル(戦略)。次に、具体的にどのような方法でマーケティングを進めるべきかを考えるタクティカル・レベル(戦術)。最後に、マーケティング施策を実行に移すエクゼキューション・レベル(実行)です。

 日本では、まず市場に精通した人が戦略・戦術面を担う必要があると考えています。日本市場でビジネスを軌道に乗せるには、高い市場理解とユーザーニーズの調査、そして日本企業と良好な関係が築けるビジネスコミュニケーション能力が求められ、市場を理解して私たちスペインのスタッフに進言できるほどの立場で動かなくてはなりません。その一例が、モバイルサイトですね。日本のユーザーからのフィードバックをグローバルサービスに生かそうとしているところです。

 日本のユーザーは、自分の中に持つ基準に合わなければ、サービスを使ってくれません。だからこそ、サービスを徹底的に見なおして改善しなければならない。ユーザーがサービスに厳しい目を持っているからこそ、日本市場はグローバルサービスの試金石になると感じており、グローバルでもう一歩サービスを成長させるために重要なプロセスだと考えています。

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