ネット経由でテレビが見られる--DLPA、録画番組を宅内外から見られる「スマート視聴」を推進

  • 左から田浦寿敏氏、水道橋博士さん、細野昭雄氏、斉木邦明氏

 一般社団法人デジタルライフ推進協会(DLPA)は3月18日、録画したテレビ番組を宅内外から視聴する「スマート視聴」促進を目指し、「リモートアクセスDay 2015」を開催した。今後の取り組みを説明するとともに、新サービス、製品の参考出展などを実施した。

 DLPAは2010年2月に、デジタル技術の活用形態を「デジタルライフ」と位置づけ、利用者の利便性を守り、発展に寄与することを目的に設立された。主に、デジタルレコーダー内に録画したコンテンツを宅内外から視聴する、スマート視聴を推進している。現在会員企業は正会員11社、賛助会員5社の計16社を数える。

 2013年1月には外出先からでも自宅のNASに保存された録画番組を宅外で視聴できるよう「リモートアクセスガイドライン 1.0」、2014年8月には次世代放送推進フォーラム(NexTV-F)のリモート視聴要件に準拠した「リモートアクセスガイドライン 2.0」を策定した。


アイ・オー・データ機器代表取締役社長の細野昭雄氏

 代表理事を務めるアイ・オー・データ機器代表取締役社長の細野昭雄氏は「デジタルライフ推進協会は、メーカー主導ではなくて、ユーザー視点での課題解決を目指し取り組んできた。スマート視聴はここ1、2年でかなり普及し、宅外から視聴環境も整ってきたが、今後大きな課題になりそうなのが、各家庭における写真や動画、音楽など放送コンテンツ以外のパーソナルコンテンツのリモート配信と対応機器の増加」とし、

  • 放送コンテンツ以外のリモート配信
  • ネットワーク機器の登録
の2点を今後の標準化活動として挙げた。

 発表会では、お笑い芸人の水道橋博士さんがゲストとして登場し、デジオン戦略企画部部長の三阪英一氏とデジタルライフについてトークセッションを実施。水道橋博士さんは「自宅では全録レコーダーを使用しているが、ジャンルによっては忘れたまま消えていく番組もある」と経験談を話した。

 そうした見逃し番組に対し、新たな視聴スタイルとして紹介されたのがデジオンの新アプリ「DiXiM(ディクシム)チャンネル」。これはデジタルレコーダーに録画済みの番組コンテンツを、アプリ上で野球、ドラマ、映画など分類し、それにウェブ情報を組み合わせ、チャンネルとして提供するというもの。

  • ゲストとして水道橋博士さんが登場

  • デジタルライフについてトークセッションを行った

  • 新アプリ「DiXiM(ディクシム)チャンネル」

 例えばドラマチャンネルをクリックすると、録画済みのドラマ番組のみがピックアップされ、見たい番組を選ぶとスマートフォン上で再生することができる。これにウェブニュースなどのインターネットコンテンツを加え、チャンネル化することで、関連のあるコンテンツを結びつけ、番組への気付きを促す。

 6月のリリースを予定しており、アプリは無料で提供する見込みだが、スマートフォンなどで番組を視聴するには別途有料の再生アプリが必要になる。

 DLPAの理事でデジオンの代表取締役社長である田浦寿敏氏は「メディアの消費スタイルは多様化しており、ステレオタイプだった見方が変わってきている。DiXiMチャンネルは動画とネット情報を融合した新しい価値の提案」と話した。

 会場内では、「ドラ丸」機能を搭載し、連続ドラマ録画の便利さを打ち出したシャープの「AQUOSブルーレイ」、最大9ch分を全録できる東芝の「レグザサーバー」などを紹介。加えて、アイ・オー・データ機器やバッファローでは、ホームネットワーク上にあるNASやデジタルレコーダー内のコンテンツを一元管理できるVDMS(仮想DMS)対応機器なども展示していた。

 バッファローの代表取締役社長である斉木邦明氏は「DLPAでは今後もユーザーの利便性を徹底的に追求し、デジタルライフをもっと快適なものにしていかなければならない」と今後の姿勢を示した。

  • シャープ「AQUOSブルーレイ」は連続ドラマを録り逃がさない「ドラ丸」機能を内蔵

  • 東芝ではdynabook/dynabook Tab用の視聴アプリ「TVコネクトスイート」を無償で用意している

  • sMedioのDTCP-IPアプリ「sMedio TV Suite」。曜日やチャンネルなどで録画番組を並べ替えられ、検索性が高い

  • バッファローでは家中のコンテンツをまとめて見られることをアピール

  • アイ・オー・データ機器のVDMSの参考出品

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